はぁ~~~
ここんとこ、ため息がとまりません。 はぁぁ~~~ 一週間ぐらいダメですね。頭がぐるぐるしちゃって。夢ばかり見て眠れないし、見るのは同じ夢ばっかりだし、起きている間じゅう考え続けてしまうし。 家族とも「どうすんの?」「どうにかしなきゃ」「それってどうするってこと?」「知るか」「知るかじゃすまない!」「じゃあどうにかしてよ!」「そうだよどうにかしなきゃだよ!」と不毛なやりとりが続くばかり。 はぁぁぁ~~~ しかも、これが苦悩のため息でもあり、同時に歓喜のため息でもあったりするあたりがややこしい。 兎にも角にも、前提として。 うちには尿検査のキットを1回目も2回目も学校に忘れてくるドアフォなこどもや、肉の脂身が食べられずベソベソ泣きながら痩せていくこどもや、後ろ髪ばっかり伸びて前髪が一向に伸びないこどもが、すでにいるわけです。 その上、木にのぼっても下りられない腰抜けネコや、生魚を食すことのできない軟弱ネコや、川魚や熱帯魚やサンショウウオやイモリやなんやかんやいろいろいるわけです。 もう、今でさえみんな、世話が焼けてどもならんのだ。 それなのによ!! ・・・カンカンに晴れた連休のある日。 「ちょっとちょっとちょっと、こっちきてくださいよ!」 サトイモの種芋を持ってきてくださったN田さんが、その後うちの草刈りを手伝ってくださっていた時のこと。畑までやってきて激しく手招きをするので、鍬を置き「なんですか~」と駆け寄りました。 「なに?カブトムシの幼虫でもいたんですか?」 「いーやそんなんじゃないって」 「あ、でっかいヘビとか?」「ちがうちがうちがうちがう」 「じねんじょ??」 「ちーーーがうって。ねえ、それより、もうコタツしまっちゃった?」 え??? まだですけど。夜まだ冷えるし。 「そりゃよかった。じゃ、来て下さいよ」 って何?? 「これよこれ」 どれ? 「これ、ここ、この中」 ・・・キャ~~~~!! ちょちょちょちょっとちょっとちょっとぉ! みんな来て来て来てぇーーーー! 「どうしたのママ、カブトムシ?」 ちゃうちゃう!!そんなもんじゃないって!! 「じゃあ化石?」 もうヴァカ!いいからほら! これを見てってば!! 「たまごだぁ・・・」 N田さんは、わたしたちの過剰な反応を予想しきっていたみたいに余裕で笑いながら、しゃがんで、卵を見つめながら言いました。 「これ、キジの卵ですよ。親鳥が草刈りにびっくりして逃げちゃったみたいだね。もう戻ってこないだろうね」 キジ!!そういえば今日、会ったよ親に。 わたしが鍬持って畑におりて行ったら、ざざざっと走って逃げるでかい鳥がいたんだ。 色が地味だったからきっとママ鳥だな。 しかも時々ケーンケーン!って鳴く音も聞こえてた。 うちに住んでいるとは思ってたけど、ここで卵産んで、育ててたんだ。 卵の数は、14個。 「ほら、まだあったかいですよ。持ってごらんなさいよ」 「ほんとだあったかい・・・」 小さくて、固そうな卵は、手よりちょっと温かい。 その、命の温度があまりに愛おしくて、卵を持つ手がびんびん震えてしまう。 「見て見て。卵の下に、親鳥の羽が敷いてある・・・」 切ないほどの愛を感じ、またもうこの卵には戻ってこない親鳥の心中を思い、思わず涙ぐみそうになったその瞬間、N田さんはこんなことを言い出しました。 「いやねえ、キジの卵って貴重なんですよ」 ・・・それってどゆこと? 「もちろん、食べるんですよ。ウマいしね。珍しいからけっこう高く売れるし」 一瞬の空白の後、こどもたちはビエ~~~!とわめき出しました。 「やだやだやだ!!!卵は食べない!」 「わたしも食べない!!」 「ぜったい育てる!!」 「わたしも育てる!!」 「だ、だってどうやって孵化させるのよ?野鳥の卵だよ、ママ達には無理でしょうよ」 ねえ?と、助けを求めてのぞき込むと、N田さんはわたしの困惑をひょいと乗り越えてこともなげに言いました。 「うちも以前、飼ってましたよ、チャボに抱かせて孵してね。カンタンですよ」 カ、カンタンってあなた。 うちチャボ飼ってないもん。 「ならコタツに入れときゃいいって」 ホントか~~~? そんなんでいいのか~~~? 動揺しきったわたしの様子をタニンゴトみたいにニヤニヤして見ていた夫は「食っちゃうのが賢明かもよ。こんなにいっぱい孵ったらどうする?ヘビに食われるよりいいだろ」と、場を撹拌するようなことを言い出します。 それを聞いたこどもたちは無論、「絶対やだ~~~ヒドい~~~オイオイオイ」と大泣き。 「わ、わ、わかったって。ひとまず、持って帰る?」 「うん!!そうするそうするそうする!!!」 帽子に卵を入れると、ワクワクすぎてニイニの目なんてもう溶けちまってる。 でも、実際、持って帰ってどうすんの。 話の流れ的に孵化させる方向にむかっているが。 「ちょっとは食っちゃう?」 わたしは夫に小声で打診しました。 「食べたかぁないけど、ぜんぶ孵ったら14羽だよ。そんなの無理だよね」 「まあな。こどもさえよければ食べていいんじゃない?」 わたしと夫の会話を聞きながら、暗い目でじとーーーとこちらをみるこどもたち。 コワい・・・ 「もう一つ、問題がある。これがいつ産んだ卵か分からないってことだ。 割ってみたら、中で雛がけっこう育ってたりする可能性も、ある。 どろっと雛が」 ・・・どろっと? ギャーーーーーーー!!! 割るの無理!!! 無理無理無理無理!! 「じゃあ、とりあえず育てようよママ」 こどもたちはにんまり笑いながら、コタツのスイッチをつけました。 ・・・斯くして、我が家では前代未聞の難問を抱えることになった次第。 頭はもう、問題の仮定と解決策の思案でぐるぐるです。 1:卵を見つけた。 2:親は戻ってこない。 3:そっとしておこうね、と放置したらヘビが食うだろう。 4:じゃ、持って帰る。 5:持って帰ったら食うか育てるしかない。 6:でも産卵日から何日目か分からないからコワくて割れない。 7:じゃあ自分たちで孵すか? 8:どうやって孵すのか? ネットで調べる。 「38度~39度、湿度60~70%を保ち、孵化直前には温度を2度ほど下げる。」 「4時間おきに転卵(上下ひっくりかえす)、さもなくば窒息する。」 げげげ、N田さんやっぱチャボいないと無理だよ。 まあいい、さらに頭を進めるとする。 9:何羽孵るか? 10:孵ったら飼うのか? 11:どこで飼うのか? 12:そもそも野鳥って飼えるのか? 「禽舎は2坪程度必要。天井を高くして網を張らないと頭をぶつけて死ぬケースも。」 「鳴き声が近所迷惑になる可能性があるので都心で飼うのは相応しくない。」 「野鳥を飼う場合は届け出が必要。メジロを不届けで飼って逮捕されたケースも。」 どどどどうしよう。 三芳村ならともかく、東京で屋外に2坪の禽舎設置はまず不可能。 しかも周辺は妙な音などしないフツウの住宅街なため「すみませんけどお宅からいつもケーン!ケーン!という音がしてけっこう迷惑なんですが」と苦情が出ること間違いなし。 はぁ~~~どうしよう。 仮に、けっこう孵化したとしたら。10羽とか。 そしたらいったい何坪の禽舎が必要なんだ? いっそ三芳村に移住するしかないか・・・キジのために?? いやいや飼ったら逮捕されるらしいぞ。 最後に放鳥すればいいのか? だいたい、わたしたちが孵化させられるのか? 結局全部殺しちゃったりしたらあまりにヒドくないか? しかもうちのネコはキジを襲わないか? お、お、おーまいがぁ・・・・・・! その後については次回。
by babamiori
| 2010-05-11 16:17
| 週末の出来事
|
ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。
ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。
by babamiori
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