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苦労の量と感動の大きさは比例するというが、苦労は嫌いだ!
「終わりよければすべてよし」という言葉をなぞらえるならば、今年の三芳村滞在についてはどう考えりゃいいのでしょう?

三芳の里山にこもって膨大な草刈りや畑づくりに勤しんでいた前半戦を終え、外界の事情をまったく考えずに「さー東京に帰ろう」と子供&ネコを乗せて呑気に出発したのが18時。
毎日質素で健康的な食事をしてきたが、最後の日くらいタンパク質ガッツリ系を外食しようかねーと下道を走り始めて10分しないうちに大渋滞にドハマりし、GWの観光客がいっぱ来てたのね。。と遅ればせながら気付き、2時間かけて金谷漁港のガストに到着して「お腹が空いたよう~」と泣く子らに30分並んでお子様ランチを食べさせ、くろとぴょんの膀胱を気にしながらのべ5時間かけて東京に帰ってきた愚か者です。どうせわたしは。
いい想い出満載だったのに台無しだぜベイビー。


果てしなき雑草との闘いに疲れた時など「あのとき秦野の土地を買ってたら」とふと考えてしまうことがあっても、連休の東名高速の渋滞情報を耳にするたびに「・・・やっぱ房総半島でよかったんじゃない?」「正しい選択だったかもな」と優越感に浸れたのに。
アクアライン800円効果でいよいよ本格的に人気が出てきてしまった感あり。


とはいえ、三芳村自体はいたって静かなものでした。
いつもは高齢者の姿しか見えない田園風景ですが、若い娘さんやこどもたちが畦道を歩く姿も見えたりして、里帰りできる場所があるひとたちっていいなーと微笑ましく見ていた次第です。こっちはわざわざ新規に故郷をつくる努力をしてるっていうのにさ。(ま、勝手にやってるんだけどね!)
畑にいて余計なことを考えずに体を動かし続けると、大地の匂いを吸ってめきめきと元気になるってウソみたいなホントの話。
体と心がシンプルにバランスする感覚を掴むと、ストレスとはバランス崩すことなんだとよく分かる。だから例えば東京でストレスフルな状態になったとしても、それがイレギュラーな形として認識できて、慢性化しなくなる気がします。(重篤な症状の場合をのぞく)
柄にもなく森林浴セラピーの宣伝みたいなこと言ってますが、まあたまにはいいさ。



・・・そんなわけで働き者になって東京に帰ってきたわたしは、止めてもまだ回ろうとするコマみたいに体が動いてしまい、結局GW後半戦はせっせこ家の片付けをしていました。

そしたら、いろいろでてきたぞー!
不在のニイニの部屋から。

おぞましいもののオンパレード。。

男の子の部屋って、みんなこうなのか?

ずーっと前に配られたであろうあらゆる保護者へのお知らせプリント、あらゆるテスト、なくしたと騒いでいた道徳の教科書、絵の具で真っ青に塗ったティッシュの箱、ブタオトコというナゾのらくがきで埋め尽くされた下敷き、1畳分くらいの大きさに貼り繋いだ紙に「ゴー!ゴー!ジャイアンツ!」と描かれた旗、芸術的にひねりこまれた形でかっぴかぴにかたまった雑巾、得体の知れないあらゆる石、得体の知れないあらゆる種、カブトムシの頭、タマムシの羽、コウモリの死体、・・・

これはゴミなのか?宝なのか?

あまりの乱雑さに怒りを通り越して「だめだこりゃ」とさじ投げ状態ですが、女子校育ちのわたしにとっては男の子という生物が今でも物珍しく、興味深くてたまりません。
それにしても、昔からニイニの生活態度のヒドさは変わらんな。


大掃除というのはいつも何らかの発見があって面白いものですが、まあよくて靴下の片方がみつかったりする程度。
でも、この間、三芳村の家で、ニイニはけっこうな発見をしました。

「ママ!!見せたいものがあるから来て!!」

血走った眼差しと興奮しきった顔に驚き、何があったの!?と取る物も取りあえずついていくと、「ちょっと大変だけどすごいものがあるから、絶対最後までついてきて!」とニイニは孟宗竹林にむかってずんずん歩いていきます。

ちょっと大変って・・・
竹林の山に入るの?

「そーだよ。のぼっておりるだけだよ。ニイニみたいに、青竹につかまっていけば大丈夫だよ。枯れたやつは危ないからくぐって」

・・・道中は、ちょっとどころじゃなく大変でした。
傾斜は軽く70度くらいあってほぼ垂直に感じられる状態、しかも倒竹があちこちに突き刺さっていて、それをまたいだりくぐったり。足場は竹の根元くらいしかない、ズサズサの崖です。
そこをロッククライマーばりの緊張感でのぼりつめた後、「こっから谷に下りるよ」と今度は同じ急勾配のくだり。。。気楽に誘うな!!こんな道。

にしてもくだりってコワいのね。
服がドロドロになるのもこの際やむなしと、手頃な竹を掴んでお尻で泥斜面を滑るしかない。

下から見上げればこんな。

苦労の量と感動の大きさは比例するというが、苦労は嫌いだ!_b0128954_14493480.jpg


「ママおそいよ、今ニイニがいるところに来ればもうすぐだって」
サルなニイニはとっとと下まで下りていき、わたしを急かしやがります。

待て!待ってってば、ママは、お尻が、重いんだよ!
ヒ、、ヒイイ~~、くつがはさまって抜けない~~
いつまで、こんなとこ、あるかせる、わけ、ぐへえええ・・

息が切れてどうしようもないし、踏ん張り続けすぎて足や手に力が入らなくなるし、ホントしんどかった。長靴なんかで来る場所じゃない。
文句たらたら冷や汗だらだらで、どうにか下まで下りると、わたしの様子にはお構いなく目を輝かせたニイニが、こっち!コッチ!!と手招きしていました。

「早くきてごらんよ!見てよ、コレ!!」

・・・言われるがままに見上げれば、それは、思いがけず立派な滝でありました。
苦労の量と感動の大きさは比例するというが、苦労は嫌いだ!_b0128954_14494883.jpg


「滝壺まできてよ、キラキラ光ってすごくきれいだよ」

たしかにこれは・・・美しい。
落差は5m近く。
どうどうと水の落ちる音に静けさが宿り、疲れを忘れ息を飲む圧倒的な風景。
竹の葉の木漏れ日に光る姿は神々しく、名瀑の貫禄すらあるような。

こんなところ、ニイニよく見つけたなあ!

っていうかわたしたち今までよく見つけなかったなあ^^

「雨が降ると山を超えた方で音がするからいつも気になってて、行ってみたんだ。思ったより立派な滝だったからぜったいパパとママに見せたいと思ってさ。でも大変なところだって言ったら来ないと思っていわないことにしてみた」

こらっ!

「でもママさあ、敷地の中に滝があるって、超すごくない?」

うんうん。確かにすごいかもな。
以前、マイ沼があることにも驚いたけど、マイ滝はもっとエラい気がする。
5年目にしてこんな発見をするなんてさすが無駄に広い土地だけある。普段はそのメリットを感じることはほぼないけど、山林、田、畑、荒れ地とレパートリー豊富な地目があるってことは、それだけ発見のレパートリーも豊富だと言えるのかも。
まだまだ未知の楽しさが埋蔵されてるんだとしたらやる気も起きるってもんだ。

いや~~、連れてきてくれてありがとう!ニイニ。


・・・でもさあニイニ?
ここからは、どうやって帰るのかな?

なんかこう、うまく農道に抜ける道とか、あるはずだよね?
まさか同じ道じゃなかろうな?
ニイニともあろうものが、そんな能なしの帰路を示すはずないよね?

「いや、ないよ」(あっさり)

うそだろ。

「ニイニ何度も試したから知ってるけど、道の手前に痛い藪があるから、またのぼっておりるしかないんだよ。ま、行きと同じコトすればいいだけだからだいじょうぶだいじょうぶ」


・・・ニイニくん。
キミは今夜の食事抜きに決定だ。
おめでとう。


斯くしてかわいそうなわたしは「あ~いつか渓流登りしたいな~」とほざくニイニに再び過酷な山越えを強いられ、ガタガタになった足をひきずりながら家に戻ることとなりました。
翌日、油切れの自転車みたいに全身がギーギー軋み、筋肉痛でのたうちまわったのは言うまでもありません。


ちなみにニイニは、この後パパに滝を見せるために再びここを訪れた際、すごく安易な抜け道を発見したそうです。
ポチンもその道で行って「ちょーきれいだったー。みち?ぜんぜんらくだったー」とのこと。
まったくなんなんだ!

前回綴った「次回に説明」という話題は、11日以降に必ず。
 ちょっとした発表をいたします^^)
by babamiori | 2011-05-09 15:33 | 田舎暮らしのこと
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ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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