こんなにじりじりと暑く、入道雲さえ出ているというのに、秋ですってよ。
笑わせてくれるじゃないか! と、暦の上での秋という仕分けに嫌味の一言でもいいたくなるのは東京での話。 三芳では、ちゃーんと実質的に季節が進行している実感があります。 下のおうちの田んぼは先週末が刈り入れ。 刈った稲は、丹念に干してたな。 刈り入れって親族総出のイベントなんですね。 田んぼによってはパラソル出して、1日じっくり作業を楽しむ環境をつくっていたり。 お米をつくる環境ができていない(というか田んぼをつくる技術がない)我が家も、夏草をすべて刈って干して燃やして、秋まきの畑の準備です。 久々にトラクターも出動。 しばらく野放図にしていたもんで、畑の土がかたい・・・ でも、昔のヒトは、何もかも機械なしでやってたんだからエラいよなあ。 自分がちょっとやってるからってガタガタ言うのはいかがなものかと思うけど・・・でも!! お米や野菜をつくるって、ホントに手間がかかる作業。 その実感なしにほいほい食べるのと、「あー土ってすごい、光合成ってすごい、つくるヒトってすごい」と思いながら食べるのとでは食事の意味が違ってくると思う。 わたしは及ばずながらそれを伝えたくて、、、 という話がしたいところですが、実は北海道の話が途中。 何だか過去になってきちゃったけれど、ここでぶちっと終わるのも気持ち悪いので、がんばって続けることにします。こらえてちょ。 ・・・旭川から、どこ行く? と考えたとき、あと実質2日だし、日程的に適当に千歳空港側に折り返す地点を探すかなと思いきや出た結論は「やっぱオホーツク海見なきゃ損でしょ」。 だいたいさ、行くか戻るか、とか、行くかやめるか、という二択で、ゆるい方を判断することは99%ないのが我が家(の男衆)。 結婚生活振り返って「やめるという英断」をしたのは、知人が危篤と分かり急遽キャンセルしたバリ旅行くらいと思われる。 そんでもって突き抜けましたよ、北海道の北の端っこまで。 端っこ感溢れる、サロマ湖よ。 夏の最中でありながらも、北限の厳冬を思わせる風情。 どちらかと言うと今までは南を好んで旅していたわたしにとって、この風景は本当に新鮮でした。 南房総もそうですが、そこに立っているとありとあらゆる生き物のエネルギーに覆われるような感じがして、自然の方からわたしに饒舌に語りかけ、引き込むようにコミットしてくることで関係が生まれるものだと思っていました。 でも、サロマ湖の空気はまったく違った。 安易には命が存在し得ないという厳しさをたたえ、静かに、毅然とそこにあり続ける場所。 わたしは、おそるおそる忍び入り、この地にそっと触れるだけ。 そんな、孤独な存在独特の美しさに、思わず背筋が伸びます。 ああ、大いなる北国の自然よ・・・! というような親の感傷なんて、まったく知ったこっちゃない。 「やっっほーーーーいサロマ!!」と跳ねる。 へんな子たち。 そして、房総の海とまったく同じスタイルで、ごちょごちょと手近なものをいじっては発見、という楽しみ方。 で、発見。 「なんだこれー?ゼリーみたいなのがいっぱーい」 砂に落ちていたびよよーんと伸びる透明の物体を、しげしげ見つめます。 クラゲじゃないの? 「最初は海で砕けたクラゲかと思ったけど、なんか感触が違うんだよ。もっとぶよぶよ」と、いつもならだいたいの生き物を自信ありげに同定する(たまに間違う)ニイニも、ぜんぜん分からんと首をかしげます。 でもさ、透明だし、打ち上げられてるっぽいし、やっぱり肉質がぶよぶよのクラゲじゃない?! と貧弱な知識の中で適当に片付けようとするのがわたしの性格。 もちろんニイニはぜんぜん納得せず、「ちがうよこれ、砂の中に先っちょが埋まってる」。 うーん、ホントだ。 「・・・あっほら、このぶよぶよ、丸い」 うーん、、、ますますナゾ。 さすがサロマ湖、ワケわからない生物がいるね! で終わらせるのがわたしの性格。 もちろん男衆は納得せず、砂にいて丸い→砂の中にいる卵?→砂の中で生活する生き物?→としつこく考え続け、のちにこれがタマシキゴカイの卵であることを同定していました。 さて、サロマ湖からオホーツク海沿いにさらに車を走らせ、何カ所か湿地に降りて散策などしつつ、「絶対に食べ物がおいしいに違いない」というイメージだけを頼りに網走に向かいました。 車中でぱらぱらと見ていた網走エリアのガイドブックで、ひときわ心惹かれたのが博物館「網走監獄」。日本最古の刑務所という建築的価値もそうだけど、実は脱獄シーンが再現されているという写真で一気に興味をそそられたわたし。蝋人形館的なコワ楽しい感じじゃないですか! 「網走監獄、見たくない?ニイニ」「見たーい!!」と、安易に同意され、ウシシのわたし。 じゃ、食後は網走監獄ね! その前に北の恵みをたっぷりいただかなきゃと、網走の広漠とした街中で探し当てたのは、大変寂しい裏通りにあった味どころ「かじか」。 ここでいただいた「海鮮丼」は、なかなか美味でした。 エビ、イクラ、ホタテ、カニ、イカ、特にホッキ貝が甘かったなあ・・・ で! 次は網走監獄! と心をはやらせていたところ、車に乗った途端、夫が「網走監獄に行くと、今日はそれで1日終わるだろ、ということは南に下って宿をとるのがギリギリで、屈斜路湖はパスだな」とぼそり。 「えーーーー??」と見られないものがあると分かると当然惜しがるニイニ。 「ガイドブック見ると、なんか蝋人形館みたいだよな。どんなもんかな。いずれにしてもどっちもは無理だ。どっちを諦める?網走監獄と屈斜路湖」 「じゃあ網走監獄より屈斜路湖みた~~~い!!」と一気に寝返るニイニ。 ・・・ち、ちなみに、ポチンはどっちがいい? 「ろう人形こわーい。くっしゃろ湖でボートのりたーい!」 「ボート???マメちゃんもボートがいいーーー!」 ・・・なにその世論形成。 「みおりは監獄にケンチク的興味があるんだよな?面白い間取りなんだろ?珍しいんだろ?せっかく網走まで来たんだからそっち優先でもいいぞ?」 ・・・いえ。いいです。 そんな話の流れでこどもたちが来たがるワケないですから。 ケンチク的興味はありますけどでもどうせ蝋人形ですから。 くっしゃろ優先で、どうぞ。 斯くして、密かに抱いていた蝋人形館的下手物への興味は、健全な自然への興味にあっさり負け、「じゃ、屈斜路湖に向かおう!」と相成りました。 ちょっとの間ふてていたわたしですが、こんどきたら何があろうが網走監獄優先でと固く誓って心をおさめ、前向きな気持ちで屈斜路湖モードに切り替えがんばった。 ああ、オトナだなあ! オトナは、しんどい。 いやしかし、屈斜路湖はなかなかのところでした。 到着するとしぼしぼと雨が振り出し、ほーらごらん網走監獄見てればよかったじゃーんと思ったのですが、湖の畔が何やらとっても賑やかで、みんなやたらと靴を脱いでいる。 そうかと思うと「お~アッチイ!」「ここはきもち~!」と変なコメントが聞こえてくる。 なんと、屈斜路湖畔って、「砂湯」と言って、砂の中が熱いのよ。 これは気持ちよかった。 めんどくさいけど靴下脱いで入ってみると、身体の芯から「じわ~~~」と音が聞こえるほど、沁みた・・・ 小雨の屈斜路湖は長袖を着ていてもちょっと肌寒いくらいで、しかも長距離ドライブで身体がバキボキに疲れているところで、ホントにこれは、心身に沁みた・・・ (ちなみにこの靴下のゴムのあとのある足はニイニ) 足湯といえば三芳の道の駅にもあって、たまに入るのですが、わたしはあまり感動したことがなくて「足だけじゃあ、ねえ」と中途半端さばかり感じていました。 でも!!! 足湯いい!!! っていうかひょっとしたら、砂が熱いのがいいのかも。 歩いていると、ちょっと冷たいところや、ホッテストでビックリというところがあって、なんかどんどん歩いちゃう。 おバカなニイニは「クッシャロ、アッチーーー!!!!」と跳ねる。 湖畔で温泉卵を食べた後も、「クッシャロウメエーーー!!!」と跳ねる。 この、いちいち跳ねるのは、「この場所に行きました」というスタンプみたいなもんで、やらないと納まりが悪いらしいです。 ちなみに、この近くには地熱を利用した公共の無料露天風呂があって、これがめちゃワイルド。 「古丹の湯」というのですが、あまりにも普通に湖畔にぽんとある温泉で、すっぽんぽんで入るにはかなり勇気がいります。 だって普通に観光しているヒトから丸見えだし、男女を分けるのが何となく置いてある大きな石だけだし。 ま、ほぼ混浴。 わたしたちが行った時には先客で外国人ママ+日本人パパ+こどもたちという家族が気にせず入っていて、夫もわたしもかなり目のやり場に困りました。。 でも、ロケーションは最高。 屈斜路湖が目前に広がっているというか、ひとつながり。 せっかくだから勇気だして入るか?と思ったが、入れずじまい。 ・・・実はね、わたくしこのあたりから、ちょっと体調を崩しまして。 頭から首にかけて激痛が続き、「ひょっとして何かの悪い病気の兆候?」と思ったくらい。その後の車内ではぐったり寝ていて、あまり記憶がありません。 「霧の摩周湖」の湖畔に宿をとり、爆睡。 明日はどこに行こうか・・・マリモみたーい!・・・などというこどもたちや夫の声がしたような、しないような・・・ 宙を飛ぶニイニの夢を繰り返し見たような・・・見ないような・・・ 最後まで一気に書くつもりが、またアホみたいに長くなったのでここでやめます。 ああ、ブログが北海道リパブリックになりつつある。。
by babamiori
| 2011-09-15 17:44
| 旅
|
ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。
ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。
by babamiori
リンク
南房総リパブリック ホームページ
房総R不動産 村上建築工房 都会育ちの田舎暮らし 南房総ほんまる農園のブログ Farm minamikaze's blog ヒナタノオト工芸帖 東京の編集者が瀬戸内海のとある島に移住するの記録 仮住まいの輪 we are what we eat フォロー中のブログ
古今東西風俗散歩(移転し...妄想ファミリー、房総に住む! amane 土橋陽子の design... カテゴリ
全体田舎暮らしのこと 週末の出来事 南房総のこと 食べ物のこと 東京にて 生き物について ニイニ 建築について お知らせ 産後について 旅 本 未分類 タグ
南房総
三芳村
セカンドハウス
こども
畑
サンショウウオ
赤ちゃん
海
キジ
子猫
アカハライモリ
家
ふきのとう
ソラマメ
植物
妊婦
花
釣り
飼育
草刈り
タケノコ
ビニルハウス
アメリカ南西部旅行
カブトムシ
梅
ショウガ
海水浴
ほうれん草
ネコ
キャベツ
イノシシ
ホタル
キジの飼育
カエル
野菜
クリスマス
多摩川
ジャガイモ
ミョウガ
キジの雛
オイカワ
竹
キジの卵
中堰
餅つき
オウム
裏山
菜の花
オオゲジ
雑草
クモ
山菜
ハクビシン
破竹
小松菜
インゲン
タケノコご飯
梅ジュース
サイクリング
館山
農業
サトイモ
サボテン
春
水仙
寿司
サンショウウオの卵
ジンジャエールの作り方
スーパーカー
スズメダイ
スパイダーモア
セミの羽化
セリ
ソラマメスープ
ゾウガメ
タケノコのえぐみ
タヌキ
タマネギ
タラの芽
タロイモ
タロイモチップ
チェーンソー
チャドクガ
ツクシ
ツバメ
テナガエビ
デスレイン
トウキョウサンショウウオ
トウモロコシ
トビネズミ
ニンニクの芽
ネコに生魚
ノビル
ハーパース・バザー
ハグロトンボ
ハコフグ
ハットウォールデン
バーベキュー
ヒグラシ
ヒナ
ビシソワーズ
ビワ
ビンゴバーガー
ピクニック
フユイチゴ
フライドポテト
フラウ
ブラインシュリンプ
プレゼントクイズ
ベルーガ
ペリカン
ボディボード
マカロン由香
マリモ
メセン
モグラ
ラッキョウ漬け
レシピ
ロビビア
ワールドカップ
阿寒湖
旭山動物園
粟叉の滝
安房勝山
安房美人
伊予ヶ岳
塩ゆでピーナッツ
沖ノ島の釣り
仮住まいの輪
夏バテ防止
花火大会
花粉症
海の家
外食
柿
柿渋
鴨川シーワールド
岩見沢駅
虐待
巨人戦
巨人優勝パレード
魚が安い
金時芋
空豆
釧路湿原
屈斜路湖
栗
見物海岸
玄米
固定資産税
江ざわ
香谷堤防
高滝
黒アワビ
根本海岸
砂漠
坂田の残土問題
桜
札幌時計台
三平農園
産卵
刺身の捌き方
四つ葉のクローバー
子供向けワークショップ
子連れ海外旅行
子連れ旅行
自然薯
自然薯堀り
自然体験
自由研究
洲ノ崎海岸
秋
秋祭り
初詣
初日の出
初乳豆腐
勝浦タンタン麺
少数派
湘南
障子張り
食育
薪割り
辛口ジンジャエール
震災
水田
生わかめ
生活
雪
千倉
千葉県
川
川野みかん
洗足カフェ
惣四郎
卒園
胎動
代官山朝市
大きな木
滝
脱輪
以前の記事
2023年 09月2017年 01月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 09月 2014年 11月 2014年 09月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||