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何で生きているのか、分からないよ、とニイニ。
ただいまーと帰ってきたニイニ。17時半をとうにまわっていました。

今日は帰りが遅かったわね、と声をかけると、「だってさあ、帰りに友達とさあ、自分が何で生きているのか分からないっていう話をしてたんだよ。その話が終わらなくて」とのこと。

・・・なぬ?
ずいぶん哲学的じゃないか?
青春でもあるまいに、存在の耐えられない軽さに悩んでおるのか?
あるいは、、し、、失恋でもしたか?
恋の悩みなら、ニイニより経験豊富なカアサンがゆっくり相談にのるぞ?

「なにいってんの違うよ!あのさあ、生物は種を残すために生きていくわけでしょ?でも、人間はこれ以上増えると地球の資源が足りなくなって滅亡するわけだから、増えない方がいいわけでしょ?だったらこどもつくる意味ないんだから、ニイニたちが生きている意味はないでしょ?今こうやってニイニたちが生活していることだって、地球の未来をなくしているって言えるしさ。それで、R助が悩んでたんだよ」

そう言いながら、すでに繁殖の道を絶たれている宦官ネコ、ぴょんを膝にのせるニイニ。

おっと、ニイニの話の内容はこっちの想定から大きく外れてたな。
だって夏に5年男子を引き連れて南房総合宿をしたとき、
何で生きているのか、分からないよ、とニイニ。_b0128954_1102980.jpg


男子たち会話の倒れそうなほどくだらない会話と、思春期の入り口に立つか立たないかという青い会話に、アホだなあみんな、でもカワイイなあ、とニタニタした記憶が強烈でね。

でもそんなんじゃなくて、たまには真面目な話もするんだね。

「するよ!いっつもしてるよ!国語の時間の討論会では、日本の食糧を安定して確保するためにはどうしたらいいかとか、めっちゃ真剣に議論してるよ!だってニイニたちが生きてる間にヤバくなるじゃん絶対。日本も世界も」

ほっほー、それはお見逸れしました。
問題意識を持つことは立派なことだ。
ニッポンの未来はキミたちの双肩にかかってるから、ね!

と、いつものようにちゃかしつつ。
キッチンでニイニの言葉を頭で反芻しながら、密かにぞぞっと、背筋が寒くなりました。


我が子らを待ち受けている未来の地球を思い、それがニイニたちの想定を多分外れていないだろうということに。
そして、むしろこどもたちのほうが、悲惨な未来を冷静にリアルに想像しているという事実に。


考えてみれば、この子たちは毎日毎日、放射能や原発の危険についてや食品への不安についてニュースが語り、大人達が語るのを目にしているワケで、恐ろしいスピードで世界人口が増え化石燃料が枯渇し環境が破壊され絶滅危惧種や絶滅種が増え続け、人間という生物が今と同じように増え続け生き続けるのももうそろそろ限界じゃない?と真面目に話される世の中で生活しているワケです。

そして、それでも自分たちは車に乗り肉を食べ大きくなったらこどもをつくり資本主義社会のルールの中でちゃんと稼いでうまく生き抜いていくことを目指せと暗に指導されながら勉強させられているワケです。

そりゃ、混乱するよね。
今、自分たちがフツウにやってることや享受してる環境によって、自分たちの未来をこわしてるんだということ、小学生の方がクリアに感じているらしい。特に、震災後にはそう強く感じているらしい。
でも「とりあえず今は大丈夫」というだけで生活の質を落とすことなく資源を食いつぶして生きていて、だけど50年後は今みたいじゃないからね、食糧やエネルギーの奪い合いで戦争も起きてるかもねって思って生きているって、相当嫌なことだよね。
やることなすこと、ぜんぶツケになるっていう感覚。
そして、こどもたちの方が、当事者意識が強い。
だってオトナがみーんな死んだ後も自分たちは背負っていかなければならないんだもんね。

こどもたちは、オトナが思うよりずっと、分かってるんですよね。
自分たちには、すんごいシビアな未来が待ち受けていることを。
「希望をもって!」「明るい未来を!」と口先で号令をかけることには、根本的には意味がないことも。

その上で、悲観するだけではなくホントにどうすればいいか我が事として考えてこうとする、という意味では、危機感は人間を成長させるのだなあとも、思ったり。

「人間って、愚かな生き物すぎるよ。だって地球が滅びるようなことをしつづけるんだもん。止められないんだもん今の生活を。分かってても。それじゃあ分かってないのと同じだよ」。

誰かが言ってたコトなのか、自分で考えたコトなのかは分からないけど、おっしゃる通りですよニイニ。50年後、いや30年後にはホントにヤバい、くらいの逼迫した状況でも、やめられないんですよこの生活を。
みんなで栄えることは、みんなで滅びることと同じだって、分かっていてもやめられない。
そんな程度の理性なんだと思うよ、人間って今のところ。

もちろん、ママも同じだね。
基本的には地球が滅びる方向に加担する生活を送っている。
エコもロハスもスタイルとして身に纏うだけではほとんど意味がなくて、地球全体の環境を考えた本気のサステイナブルっていうのはみーんながダッシュ村みたいな生活をするくらいじゃない?と思っていても、そうする覚悟がない。
南房総の生活に、その覚悟のお試しみたいなものがあらわれている程度だな。

わたしにとって、田舎暮らしは、未来へツケをまわしている日々の罪悪感をちょっとだけ紛らわしてくれるものです。
畑で草を抜いたり、汗かいて草刈りしたりしている時は、なんとなく救われた気持ちになるから。狭い範囲での価値観の中で良しとされているものに囚われて生きている日常から開放されて(脳味噌から解放される、ってかんじかも。たいした脳味噌じゃないけどさ)、少なくとも今は、地球に悪いことはしていなかろう、畑の土を耕すミミズ程度の貢献はしてると言ってもいいんじゃないか?と思えるから。

何で生きているのか、分からないよ、とニイニ。_b0128954_114225.jpg


人間もミミズ程度のちっぽけな存在になれる、肥大した生活をやめることだって、絵に描いた餅じゃなくて実際できると思う、という実感をもつことが、めぐりめぐって自分のストレスを解消しているのかもしれない。そんな規模で生きることこそ、人間活動のスケールとしては適正で、今のこどもたちの未来を繋げるためにもっとも役に立つことなのかもしれない、と思うから。

自分の中で、思うことと、やってることが、一致する日は来るのだろうか?

東京での、濃密な人間関係の中でのビビットでヒリヒリとした生活。
南房総での、地面にへばりついて汗かいて生きる裏表のない生活。
このふたつの生活の間を行き来する中で、5年男子並みに青臭く、乳臭く、生きることについて考える、アラフォーの母であります^^;
いつか、いろーんなオトナやこどもと、そんな話をとことんしてみたい。


・・・そんな思いとはまったく関係なく。
ちゃーんと、ニンニクの芽がでたなあ。
何で生きているのか、分からないよ、とニイニ。_b0128954_1142438.jpg

何はともあれ、芽が出るというコトは、嬉しいコトだ。


(ちなみに、ニイニはそれで結局R助くんに何て言ったの?と聞くと、「どうせ生物として意味がないんなら、悩んだりすることもぜーんぶ意味ないんだから、今日を楽しく生きればいいじゃん!!先生とかママに怒られることもかんけーないじゃん!!って言ったら、みんな、そーだよなあ!楽しきゃいいよなあ!!って盛り上がったよ^^」と胸を張っていました。
やばいです。。)


追1:里山学校にご応募いただいたみなさま、どうもありがとうございます!
お申し込みフォームをお送りいただいた方の中で、ご連絡先が記されていない方が2名ほどいらっしゃいました。心当たりのある方は、改めてご連絡いただければ幸いです。
まだ若干名ご参加いただけます。info@mb-republicまでお問い合わせ下さい。

追2:南房総リパブリックのHPをリニューアルしました!

追3:次回は、またまたお知らせがあります。
by babamiori | 2011-10-21 11:34 | 東京にて
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ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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