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衝撃のバンブーごはん。
キジの一件がなければ、まっさきにアップしようと思っていたこと。

たけのこはね、毎年とれるんですよ。
ゴールデンウィークくらいまでは孟宗竹で、そのあとは真竹や破竹がでてきます。
小振りだけど、やわらかくてとてもおいしい。
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むきむきはこどもたちの仕事。
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そこからあとはママの出番となり、定番のタケノコご飯や若竹煮、青椒牛肉絲、バター炒め、パスタなどなど、タケノコ料理の続く毎日となるわけです。
そうしてタケノコの味にも食感にもやや飽きてきた頃、タケノコの季節は終わります。

今年もそうやってタケノコ三昧の日々がフェイドアウトしかかっていた頃、食卓にこんなものが出現しました。
孟宗竹の青竹を手鋸でごりごりと切って器をつくり、そこにお米と水、タケノコ、出汁を入れてホイルで蓋をし、魚焼き網の上に乗せて熱したらしい。

作:ニイニ
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・・・バカにしてごめんなさい!
「竹にタケノコご飯入れて炊く?ムリムリ、お米の無駄です」と一蹴したのに、よくつくったな!

水加減はてきとーなのでやや固めだったけれど、こんなにおいしいタケノコご飯は、いやはや初めて食べたよ。
竹の風味が封じ込められたご飯の香り高いこと・・・
そして、青竹の器の、目に美しいこと。


同じ食卓にはわたしのつくった炊飯器メイドのタケノコご飯も並びましたが、まことにありきたりで感動のない代物に見え、「つまらないものを並べて・・・テヘ。。」と頭を掻きながらとりさげたくなりました。

本当はホイルで蓋をせず、切り抜いた竹を蓋にしたかったらしいが、断念した模様。
パッカリ2つに割れた竹の破片がガムテープでくっついてぶらぶらしたものが、台所の床に捨ててありました。

ニイニのこの、よくわからない創作意欲は、どこから生まれてくるんだろう?
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by babamiori | 2010-05-26 09:54 | 週末の出来事
14このうち・・・
「もしもし?お預かりしていたキジの卵ですがね」

はいっ!!

・・・ってかよく考えてみればなぜ今日電話かかってくんの?
(あ、前回前々回の話の続きです^^;)

まさかまだかかってくるわけがないと思っていた電話に、心の準備がまったくできておらず。
前払い金が足りなかった?あるいは何か記入してお店に送らないといけなかったっけか?うーん、、と、ながーい雑巾を絞るみたいにぜんぜんうまく絞れない頭で理由を考えてみるも、よく分からず。

だって、鳥信さんに卵預けてまだ4日。
いくらなんでももう孵るとは思えない。
だってわたしにはあの卵、産みたてに見えたもん。
24時間一緒にいたけど、卵の中からはぴよとも、かさともこそとも、聞こえなかったもん。



ひょっとしてぜんぶ死んでたのか?
・・・それはあり得る。
何しろ42℃まで温めちまったもんな。わたしの不行き届きで。
「ためしに1個割ってみたら温泉卵になってましたよ」と言われるかも。
「召し上がるかなあと思って一応とっておきましたけど」などと続いたりして。
あの晩見た悪夢は正夢だったってことで、このキジ騒ぎは終了か・・・
実に淋しい結末だが、ありのままを受け入れねば。


「もしもし、もしもし?あのですねえ、どうかなあ、他のは動きがないんですけど自然のモノだからまあそれまでの卵の環境はわかんないししょうがないと思うんですけどねえ、とりあえず今日んとこは1羽は孵ってましたんで引き取りに来ていただけますかねえ?」

はいはい。

・・・え?
つまりなんだ?

孵ったって、ゆった?いま。

「ええ、孵ってますよ1羽」

・・・孵った?

1羽、孵ったのか?

ぜんぶ死んでしまったかもしれないと思ってたけど、孵ったのか。

生きてたんだ、卵・・・やったぁー!!!
キジの雛だ、キジの雛が生まれたんだぁ!
ホントなら南房総の畑の真ん中で生まれてたはずの雛が、荒川の近くまで運ばれて、暗い箱の中で生まれたんだ。
いっぱい生まれるはずが、1羽だけ。
まわりの卵がしーんとしてる中で、その子だけがコツコツ殻割って、出てきたんだ。
そっかぁ・・・・・・
なんとかがんばって生き延びた子が、いたんだ。

電話の奥から「ぴよ、ぴよ」とわたしを呼ぶのが聞こえた気がしました。
(ってか実際この店はえらい数のぴよぴよぴよぴよぴよ!!に満ちているんだけどね。)

うっ、うっっ・・・泣けてきた・・・ママはここに、いますよ・・・

「あのぉ、お客さん引き取ることになってるんだけど、大丈夫ですかねえ?」

携帯を持ったまま胸をかあっと熱くして黙ってしまったわたしの気配の異様さに、お店のおじさんはわたしが雛を引き取らないんじゃないか?と心配した様子。あわよくばお店に置き去りにしちまおうと思ってるのかと、勘ぐられたみたい。

んーなわけないじゃん!
背中に羽はやして雛のもとに飛んでいきたいくらいだ!!

妻が無事出産したことを電話で告げられた夫って、きっとこんなかんじなんだろな。
「生まれたぞ、生まれたんだ、オレの子が」ってぶつぶつ言いながらぐるぐる歩き回るくらいしかできなくて、嬉しさや愛おしさをぶつける対象が目の前にいなくて手持ち無沙汰なまま心臓がバクバクしちゃうかんじ。
当事者なのに近くにいないっていうなんかスカスカして落ち着かないってかんじ。

「ありがとうございます。明日、なんとか時間見つけて引き取りに行きますから、それまでどうぞよろしくお願いします」

・・・ふぅ。

鳥信さんとの電話を切り、ひとつ深呼吸をすると、どうにか平常心が戻ってきました。

そこでふっと、現実に引き戻されるわたし。


で。
どうやって飼うんだ?


こんなに大騒ぎしていたくせに雛を迎える用意をなーんにもしていなかった。
それどころか、卵の孵し方と大きくなったキジの飼い方は調べたけど、雛を育てる方法についてはすっかり抜けていたことに気付いてしまった。。
まさかはじめから2坪の禽舎はいらないだろうけど、キジの雛ってどこでどういう風に育てればいいんだろう?餌はなんだ?虫とか与えるのか?
だいたいキジを飼うには許可が必要だったはず。なりゆきでキジ飼い始めて鳥獣保護法違反でわたしが逮捕されたらニイニやポチンやマメやくろやぴょんや夫はどうなる?

やばいよやばい、明日雛が来るっていうのにさ!!

困り果てた末、分からないことは権威に聞け!!と、電話しちゃいました。
全日本雉類研究会の、伊藤正さんに。

ご存じですか?伊藤正さん。
わたしみたいにキジの件で切迫したら、きっと皆さんこの方にすがりたくなると思います。
何しろ、「全日本雉類研究会」を主宰しておられる。

もちろん面識などありません。ただ、キジなんか飼えるか~?と不安に思いながらいろいろ検索している中で「キジ類の華麗な世界へようこそ」という何とも前向きなページを見つけ、そこに「2坪程度の禽舎があれば誰でもこのすばらしい鳥を飼育・繁殖できる可能性があります」「ぜひ興味がある方は飼育に挑戦して見て下さい。そこにはキジ類の華麗な姿があります」と、めっちゃキジLOVEな言葉が羅列してあったのを見て、もうほんとうに勇気づけられたんです。
これが「伊藤正」さんの書いたものであった次第。そのページのトップには事務局の電話番号が記載してありました。

この方なら、「キジの飼育?無謀ですよ。訴えられますよ」とは言うまい。
だってこんなに勧めてるし、キジの飼育を。
迷わずテル。

「あのー突然ですみません、わたくし普段は東京に住んでいるんですけど南房総にも家があってそこでキジの卵を拾ったという者ですが」
この明らかに意味不明で唐突な電話に、伊藤正さんは親身に対応してくださいました。

「3週間ほど温度管理などしっかりやれば、あとはちゃんと育ちますよ」「キジを飼うことの許可はね、放鳥せずに飼うと決めたら考えればいいですよ。誰かに何か言われることがあったとしても、経緯を話して対応を考えれば大丈夫。わたしも行政の仕事をしていますからそのあたりはよく分かっていますから」とのこと。

よっしゃ!権威から、大丈夫というお墨付きをいただけた!

しかもなんと、「鳥信さん?ああ、ご主人のことはよく知ってますよー」とおっしゃる!「そうか、鳥信さんで孵化してらっしゃると。ならばご主人にぜんぶ相談すればいい、誰よりも詳しいから。何ならわたしの名前を出してくださってかまわないですよ」とのこと。

仕事では建築業界って本当に狭いもんだとよく思うけれど、鳥飼い業界も相当狭い!
にしても鳥信さん、すんませーん・・・
心のどっかで「キジの卵なんか持ってこられて迷惑だったのかな」と卑屈に考えてました。
ガタガタ動揺せず、鳥信さんに相談すればよかったのね。



翌日。
鳥信さんのところに、行きました。
うちの卵たちが入っていた孵卵器は、コレ。
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右側の卵です。

そして、そして、そして。
「今お渡ししますね」とバケツに移されたのは、
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なんと2羽!!

実は、右側にいる子はあとから生まれた方で、足が開いてしまっている奇形でした。
途中で卵を冷やすとこういう障害が出るらしい。親が放置したあとか、わたしたちの卵移動中に冷えてしまったんです。
「この子はちょっとね・・・こんなに足開いてると厳しいよね」と言われましたが、もちろんどちらも大事に引き取りました。

ホカロンをぺたんと貼った小さな箱に入れてもらって、温熱電球と雛用の餌を飼って、大急ぎで23区の反対側にある我が家へと帰りました。車の中でずっと「ひよひよひよひよ」「ひよひよひよひよ」と鳴き続けていた2羽。赤信号になるとどうしてもたまらなくなって箱を覗いてしまう。
うーんたまらん!!
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うちに着くとすぐ、くろとぴょんに見つからないようにそっと和室へ行きました。(家族で協議した結果、当面は和室をキジの保育園とすることに。以前、子猫のくろ&ぴょんが畳や障子をぼろっぼろにしてくれたので、キジが多少汚してもぜんぜん惜しくない空間。ちなみにキジの雛が和室を卒園後は、改装し、もうすぐ思春期のニイニが女子部屋を出て入居の予定。)

やっとやっと、だっこしてみた。
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まったくの手のひらサイズ。
まだママの下でうずくまっている時期だからか、こうして手でくるんでやると、ちょっとほっとしたように動きを止めて「ぴよぴよぴよ」と鳴きます。
狂おしいほどかわいい・・・
この小さな小さな頭のにおいを何度も嗅ぐ。ん~~

こちらはお尻。
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ああ、もう、食っちまいたいほどかわいい!
(・・・ホントにedibleだからこういう言い方はふさわしくないかも。。)

学校から帰ってきたニイニも「ぎゃーカワイ~!!」とすぐ手にのせて、愛でる。
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「だめだかわいすぎる。一緒に寝たいくらいだよ」
同感。
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もう、何もかも、ふっ飛ぶね。
新しい命の、この圧倒的な存在感。
こーんなに長々と今までの経緯書いてきたけど、実際この子たちを見たあとは心配とかなんとかぜんぶ吹っ飛んじまって、カワイイ~~~ってことくらいしか言うことがないのです。
それは、自分の出産前と出産後の気持ちの変わりようと、とてもよく似ています。

そうそう。
結局、その後もう1羽生まれ、その子も引き取り(こんどは通勤帰りに電車でピックアップ。日比谷線の中でわたしのバッグは「ぴよぴよぴよ」といっていて、隣りのおじさんに「ケータイ音にしちゃずっと鳴ってるな」みたいな目でチラチラ見られてました)、兄弟は3羽となりました。
残りの11この卵は、先日、「もう孵化の見込みなし」との連絡があり、この世を去りました。
もうずいぶん前に去っていたと思うけど。
孵化率は決して高くなかった。14分の3。
キジママが育てていれば、きっと、もっと生まれていたはずです。
しかも、わたしたちが卵を見つけた時にはすでに、中で雛の形になっていたことも分かった。
あとちょっと・・・そっとしておいてあげていれば。

せめてもの償いとしてわたしたちに今できることは、この、生まれてきてくれた3羽を、ぴよぴよからケーンケーン!にまで元気に育ててあげることくらいです。


ちなみにこの子らの名前は、キーちゃんとジーちゃんと3ちゃん。
(命名の安直さについては自覚してるので何も言うな!)

いやあ、すごいよキジの雛は。
こんなにカワイイものは、ない。しかも、野生の生き物を見る感動がある。
そのことについてはまたきっとお話しますが。

まず発見したのは、「ピヨピヨ」という声は口を閉じていても聞こえるのでのどのあたりが鳴っているということ。
餌は、すぐに自分でつついて食べ始めたということ。
そして、人間をママだと思ってくっついて歩くというのはほぼ完璧な妄想だということ。むしろ脱兎の如く逃げる。逃げる姿には、深い野生を感じます。
だって走るとめちゃめちゃ早いんだから!!ゴキブリ並み。(いやホントに。)
まあ、見てよ。



今後のことはもうぜんぜん、考え切れてないし、すでに心の痛むことや心配なこともたくさん抱えているけれど、とにかく今はこの子たちを必死に育てています。
そして、ジーちゃん(足の悪い子)が果たして生き延びられるのかが、今もっとも心を砕いていることです。

そんなわけで。
目下、我が家は「ネコ部屋」「キジ部屋」「水の生き物部屋」で構成されており、我々人間は彼らの部屋を間借りして住むような形になっております。はい。

ご静聴ありがとうございました。
今後ともよろしく。
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by babamiori | 2010-05-20 23:58 | 東京にて
卵ノイローゼ。
その夜、タオルでそっとくるんだ卵を段ボールに入れて東京へ帰りました。
(あ、前回のつづきです^^)

初夏の陽気が続いた連休でもわっとするほど暖かい夜でしたが、念のため車の暖房の設定温度を助手席側だけ32℃に。「ママー暑い」「気持ち悪い」「苦しい」と訴えるこどもたちを「なにを言うか~~?!卵が冷えてキジの雛が死んでもいいのか~~?!」と脅しつつ、段ボールを抱えて自身の全身もチンチンに熱くなる中、「わたしは親鳥」「わたしは親鳥」と自ら暗示をかけながら耐えました。

帰ったからといって、雛にとっては別に何もいいことはありません。
三芳村にはコタツはありますが、東京の家にはコタツさえありません。
細かい温度調節はともかくとして、とにかく冷やしてはいけないということで、三芳の家から持って帰った電気アンカを箱に入れ、温度計を細かくチェックしながらひとまず一晩過ごすことに。
なりゆきでキジ係になってしまったわたしに「冷やさないのも大切だけど、暖めすぎには注意しろよ」という暖かい言葉で暗に「おれノータッチ」の冷ややかな姿勢を示し夫はのうのうと自分のベッドへ行ってしまい、わたしはぽつんと段ボールの横に取り残されました。
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「そうだ、寝る前に転卵せねば」
そろそろとタオルを剥がし、14個の卵をくる、くる、くる、とひっくり返して、温度を見て、念のためアンカと卵の間にタオルをもう一枚かませて、湿気をつくるために水を入れたコップを入れて、箱の蓋を閉じました。

その夜。
押し入れの中に入れておいた段ボールからアメフトのボール大の雛が「びよびよ、びよ」と次々孵化して押し入れからあふれ出て「やばい、やっぱりうちじゃ飼いきれない。。」と焦り狂ってガバッと目が覚め・・・

ニイニとポチンが「ママー割ってみたらゆで卵になってたよ」と言いながら台所で塩を手にしているのを見て「まだ食べちゃだめ!生きてるやつがいるかもしれないから!!」と必死で止めようと叫ぼうにも舌がうまく動かず、グゲッゴゲゲッッと悶えながらガバッと目が覚め・・・

日がのぼる前に心配になって箱を開け、卵の上に乗せた温度計を見ると、42℃。
うわ!!これは致死温度か!!
と慌ててアンカをタオルで巻き、それからはまんじりともできずに「死んでませんように、死んでませんように」とつぶやきながら段ボールのまわりをうろうろし、役立たずのまま目の下のクマをぐろぐろと塗り重ねていったわたし。

はぁっ・・・
3人のママだからといって、14個の卵の親にまでなろうってのはおこがましいのか?
孵卵器を購入しようにも発注して届くにはかなりの日数がかかるとのこと。結局うちで雛にすることさえできず殺してしまうのか?

もうろうとする頭で「キジ 卵 孵化」「キジ 雛」「キジ 飼育」「キジ 人間 馴れる」「キジ 賢い」「キジ 食用」「キジ 保護」などあらゆるワードで検索し、何か手がかりはないかと闇雲に探すしかありません。
あるブログでは、「キジの卵が無事にすべて孵化しました!」とあるので、へ~すごいなと見ていくと「かわいい雛たち、元気に大きく育ってね!おいしいお肉になってまた戻ってきてね!」とあったり。
「キジを飼っている家を見つけましたが、鳴き声がとても大きくて大変そうです。キジを飼うのには許可はいらないのですか?」と多分うるさくて怒っているヒトの質問があったり。
頭の中は孵化のことだけでいっぱいなのに、心をかき乱すいろんな情報が乱入してきてもう脳味噌が飽和、いや脳味噌からキジの黄身がダラダラと溢れ出す始末。


そんな中、「このペットショップは卵を代理で孵化してくれるそうです」という紹介を見つけ、うぉ~~~と思ってたどっていくと、何と鳥専門のペットショップで孵化サービスを行っているお店を発見!しかも23区内!といっても23区内でうちからもっとも遠い場所だったけど。

ここよ。ここ。
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卵を見つけて24時間後に、わたしたちはここにいました。
あとちょっと歩けば荒川というところにある「鳥信」というペットショップ。
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まさに鳥専門です。
(ちなみに「鳥信」だけでググって出てくるのはほとんど焼き鳥屋です。)

孵卵器があり、卵を預けると代理母みたいなことをしてくれるのです。前金でキジ1卵150円、孵化したら1卵160円課金されるというシステム。思ったより安い。
「すみませ~ん、この卵、預かっていただけますか?」
お店のおじさんにおそるおそる声をかけると「キジの卵ですか・・・殻が厚いから検卵しにくいんだよね、いつ生まれるか分からないからなあ。自分ちで見てた時間に冷えてしまってる可能性があるしね」
いいですよ!うちなら大丈夫!と胸をたたいて引き受けてくれるかと思いきや、なぜか首をかしげながらの対応。

「生まれる2~3日前には、発生器っていうちょっと温度が低くなっているところに入れるんですよ。網の目も細かくなっていて、生まれた雛が落ちないようなものね、そのタイミングが分からないんだよね」

おじさんは卵を透かしたり、卵に耳をつけたりしたあと、また首をふって「ま、とりあえずすぐに孵化器にいれますね、孵るかわかんないけど。孵ったら連絡するので2日以内に取りにきてくださいね。これはまあダメだなと分かった時も電話しますよ」と言うとすぐ、奥の棚に卵をしまってしまいました。
あわよくばうちで卵を温めつづけ、ある日ぴよぴよとかわいい雛が出てきて、「ママだ」「ぴよぴよ」「おなかちゅいた、ぴよぴよ」とわたしの後ろを14羽がくっついて歩く図をチラッとでも想像してしまったが、その考えはユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカの砂糖漬け菓子パン以上に激甘だったことを知ったのは、このときでした。


ふう・・・

とにかく、これで天命を待つばかりとなってしまった。

いつ孵るかわかんないけど、そして孵るかどうかもわかんないけど、鳥信で14個の卵はしかるべき温度と湿度の箱で温められつづけるわけだ。
でも、、、
移動途中で冷やしてしまってもう、中ですべて星になっているかもしれない。
あるいはわたしが42℃にしてしまった時にすべて星になってしまったかもしれない。
思い出すのは、発見したときの、卵のあたたかさ。

もやもやとした自責の念に取り憑かれつつ、鳥信さんからの連絡を悶々と待つ日々・・・


が、4日ほど過ぎたとき。
「もしもし?鳥信ですけど」と、電話がかかってきました。

はいぃ!
なにがありましたでしょうか?

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by babamiori | 2010-05-17 17:11 | 東京にて
ほとんど受胎告知。
 はぁ~~~

ここんとこ、ため息がとまりません。

 はぁぁ~~~

一週間ぐらいダメですね。頭がぐるぐるしちゃって。夢ばかり見て眠れないし、見るのは同じ夢ばっかりだし、起きている間じゅう考え続けてしまうし。
家族とも「どうすんの?」「どうにかしなきゃ」「それってどうするってこと?」「知るか」「知るかじゃすまない!」「じゃあどうにかしてよ!」「そうだよどうにかしなきゃだよ!」と不毛なやりとりが続くばかり。

 はぁぁぁ~~~

しかも、これが苦悩のため息でもあり、同時に歓喜のため息でもあったりするあたりがややこしい。

兎にも角にも、前提として。
うちには尿検査のキットを1回目も2回目も学校に忘れてくるドアフォなこどもや、肉の脂身が食べられずベソベソ泣きながら痩せていくこどもや、後ろ髪ばっかり伸びて前髪が一向に伸びないこどもが、すでにいるわけです。
その上、木にのぼっても下りられない腰抜けネコや、生魚を食すことのできない軟弱ネコや、川魚や熱帯魚やサンショウウオやイモリやなんやかんやいろいろいるわけです。
もう、今でさえみんな、世話が焼けてどもならんのだ。

それなのによ!!


・・・カンカンに晴れた連休のある日。
「ちょっとちょっとちょっと、こっちきてくださいよ!」
サトイモの種芋を持ってきてくださったN田さんが、その後うちの草刈りを手伝ってくださっていた時のこと。畑までやってきて激しく手招きをするので、鍬を置き「なんですか~」と駆け寄りました。

「なに?カブトムシの幼虫でもいたんですか?」
「いーやそんなんじゃないって」
「あ、でっかいヘビとか?」「ちがうちがうちがうちがう」
「じねんじょ??」
「ちーーーがうって。ねえ、それより、もうコタツしまっちゃった?」

え???
まだですけど。夜まだ冷えるし。

「そりゃよかった。じゃ、来て下さいよ」

って何??

「これよこれ」
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どれ?
「これ、ここ、この中」

・・・キャ~~~~!!
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ちょちょちょちょっとちょっとちょっとぉ!
みんな来て来て来てぇーーーー!

「どうしたのママ、カブトムシ?」
ちゃうちゃう!!そんなもんじゃないって!!
「じゃあ化石?」
もうヴァカ!いいからほら!

これを見てってば!!
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「たまごだぁ・・・」

N田さんは、わたしたちの過剰な反応を予想しきっていたみたいに余裕で笑いながら、しゃがんで、卵を見つめながら言いました。
「これ、キジの卵ですよ。親鳥が草刈りにびっくりして逃げちゃったみたいだね。もう戻ってこないだろうね」

キジ!!そういえば今日、会ったよ親に。
わたしが鍬持って畑におりて行ったら、ざざざっと走って逃げるでかい鳥がいたんだ。
色が地味だったからきっとママ鳥だな。
しかも時々ケーンケーン!って鳴く音も聞こえてた。
うちに住んでいるとは思ってたけど、ここで卵産んで、育ててたんだ。
卵の数は、14個。

「ほら、まだあったかいですよ。持ってごらんなさいよ」
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「ほんとだあったかい・・・」
小さくて、固そうな卵は、手よりちょっと温かい。
その、命の温度があまりに愛おしくて、卵を持つ手がびんびん震えてしまう。

「見て見て。卵の下に、親鳥の羽が敷いてある・・・」
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切ないほどの愛を感じ、またもうこの卵には戻ってこない親鳥の心中を思い、思わず涙ぐみそうになったその瞬間、N田さんはこんなことを言い出しました。

「いやねえ、キジの卵って貴重なんですよ」
・・・それってどゆこと?
「もちろん、食べるんですよ。ウマいしね。珍しいからけっこう高く売れるし」

一瞬の空白の後、こどもたちはビエ~~~!とわめき出しました。
「やだやだやだ!!!卵は食べない!」
「わたしも食べない!!」
「ぜったい育てる!!」
「わたしも育てる!!」

「だ、だってどうやって孵化させるのよ?野鳥の卵だよ、ママ達には無理でしょうよ」
ねえ?と、助けを求めてのぞき込むと、N田さんはわたしの困惑をひょいと乗り越えてこともなげに言いました。
「うちも以前、飼ってましたよ、チャボに抱かせて孵してね。カンタンですよ」

カ、カンタンってあなた。
うちチャボ飼ってないもん。
「ならコタツに入れときゃいいって」

ホントか~~~?
そんなんでいいのか~~~?

動揺しきったわたしの様子をタニンゴトみたいにニヤニヤして見ていた夫は「食っちゃうのが賢明かもよ。こんなにいっぱい孵ったらどうする?ヘビに食われるよりいいだろ」と、場を撹拌するようなことを言い出します。

それを聞いたこどもたちは無論、「絶対やだ~~~ヒドい~~~オイオイオイ」と大泣き。

「わ、わ、わかったって。ひとまず、持って帰る?」
「うん!!そうするそうするそうする!!!」
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帽子に卵を入れると、ワクワクすぎてニイニの目なんてもう溶けちまってる。
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でも、実際、持って帰ってどうすんの。
話の流れ的に孵化させる方向にむかっているが。

「ちょっとは食っちゃう?」
わたしは夫に小声で打診しました。
「食べたかぁないけど、ぜんぶ孵ったら14羽だよ。そんなの無理だよね」
「まあな。こどもさえよければ食べていいんじゃない?」
わたしと夫の会話を聞きながら、暗い目でじとーーーとこちらをみるこどもたち。
コワい・・・

「もう一つ、問題がある。これがいつ産んだ卵か分からないってことだ。
 割ってみたら、中で雛がけっこう育ってたりする可能性も、ある。
 どろっと雛が」

・・・どろっと?

ギャーーーーーーー!!!
割るの無理!!!
無理無理無理無理!!

「じゃあ、とりあえず育てようよママ」
こどもたちはにんまり笑いながら、コタツのスイッチをつけました。


・・・斯くして、我が家では前代未聞の難問を抱えることになった次第。
頭はもう、問題の仮定と解決策の思案でぐるぐるです。

1:卵を見つけた。
2:親は戻ってこない。
3:そっとしておこうね、と放置したらヘビが食うだろう。
4:じゃ、持って帰る。
5:持って帰ったら食うか育てるしかない。
6:でも産卵日から何日目か分からないからコワくて割れない。
7:じゃあ自分たちで孵すか?
8:どうやって孵すのか?

ネットで調べる。
「38度~39度、湿度60~70%を保ち、孵化直前には温度を2度ほど下げる。」
「4時間おきに転卵(上下ひっくりかえす)、さもなくば窒息する。」

げげげ、N田さんやっぱチャボいないと無理だよ。

まあいい、さらに頭を進めるとする。

9:何羽孵るか?
10:孵ったら飼うのか?
11:どこで飼うのか?
12:そもそも野鳥って飼えるのか?

「禽舎は2坪程度必要。天井を高くして網を張らないと頭をぶつけて死ぬケースも。」
「鳴き声が近所迷惑になる可能性があるので都心で飼うのは相応しくない。」
「野鳥を飼う場合は届け出が必要。メジロを不届けで飼って逮捕されたケースも。」

どどどどうしよう。
三芳村ならともかく、東京で屋外に2坪の禽舎設置はまず不可能。
しかも周辺は妙な音などしないフツウの住宅街なため「すみませんけどお宅からいつもケーン!ケーン!という音がしてけっこう迷惑なんですが」と苦情が出ること間違いなし。


はぁ~~~どうしよう。
仮に、けっこう孵化したとしたら。10羽とか。
そしたらいったい何坪の禽舎が必要なんだ?
いっそ三芳村に移住するしかないか・・・キジのために??
いやいや飼ったら逮捕されるらしいぞ。
最後に放鳥すればいいのか?

だいたい、わたしたちが孵化させられるのか?
結局全部殺しちゃったりしたらあまりにヒドくないか?
しかもうちのネコはキジを襲わないか?

お、お、おーまいがぁ・・・・・・!

その後については次回。
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by babamiori | 2010-05-11 16:17 | 週末の出来事
お魚くわえたノラネコ~♪というのは生魚ではないのかもしれない。
この連休、ニイニの夢がひとつ実現しました。
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「食べた・・・食べたよ!」
釣り歴5年の男子、感涙にむせぶ。
自分の釣った魚を食べさせるのが夢だったらしい。

自衛隊堤防で、イワシを25匹釣って帰ったニイニ。
大漁ってほどでもないんだからネコにやるのはもったいないんじゃない?という親の意見に憤慨し、「本当はネコは、生魚が好きなんだよ、いつも缶詰めばかりじゃかわいそうだよ」と力説して「ここは贅沢に丸ごとあげるでしょ」と差し出すも、
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「・・・くっせ~~」
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以上。

そこで諦めないニイニ。
よーくよーーく洗って三枚におろし食べやすく刻み、ようやくお食べいただいた次第。

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ひとりしか食べなかったけどね。
「んなん食えるかよキモ~。生だぜ?」と、がっつく相棒を暗い目で遠巻きに見ていたぴょん。

のこりは人間分。
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自家製メザシ、最高っす。


渋滞とも混雑とも無縁なGWでしたが、まあ次から次へといろんなことがありまして。
次回は、三芳でおこった、わたしの人生を変えるかもしれない夢のような悪夢のような出来事をお伝えします。
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by babamiori | 2010-05-08 11:49 | 週末の出来事



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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