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イノシシ退治はきみらに任せた。
昔から、殺生は苦手でね。

えらそうに「生き物を喰らう」とか言ってるわりには、殺すという行為がどうしても恐ろしくて、しじみやあさりを熱湯に入れる瞬間も「なんまんだぶなんまんだぶ」とつぶやいてしまう。

・・・思えばこれは、母の影響かと思います。
小さい頃、どこぞから生きた伊勢エビが家に届くと、父が嬉しそうに湯を沸かす傍らで、母は「きゃー!わたしダメ!かわいそう!!」と奥の部屋に逃げ込んで布団をかぶって念仏を唱えてたもんな。
高級なんだから喜べ!とこどもながらに思いました。

そして父は「だって茹でたらおいしいおいしいって食べるでしょ。お肉も食べるでしょ。おかしいですよ」と、いつも失笑していました。わたしもそれに激しく同調しながら、でももみ殻の中でキシキシいう伊勢エビの関節の音が怖くて、なんでわざわざこんなにかわいい生き物を茹でて食べるんだろう?と心の奥底では抵抗感がふくれあがっていたのを覚えています。

今のじぶんはというと、いつも自分がしていることとの整合性なんか爪の先ほども考えないで、感情に正直に「きゃー!」という母の愚かしさへの反発から、生き物を殺し、喰らうことを直視する教育をしてきているわけだけど。

自分自身は、実はたいへん弱いです。。。

子供の頃は蚊も殺せないで、はたいて追い払っていました。
殺すのが好きなのも壊れてると思うけど、あまりに殺せないのも壊れてると自覚してる。


だけどね。
生きるためには、闘わなきゃいけない場面もあってね。
やられっぱなしってワケにいかないのよ。死活問題として。


去年あたりからたまーに敷地内を荒らされることがありましたが、ここ半年は明らかに被害が拡大しているんです。

ってか、たぶんうちを食堂がわりにしているヤツが、複数いるんだと思う。
あいつですよ、あいつ。

イノシシ。

だって道のわきの土手の部分に、イノシシの幅の獣道がしっかりできていて、その踏み固められかたを見ると、ひょっとしたらわたしたちより頻繁に来てます?というかんじだし。
裏山から滑り降りてくるときのヒズメの跡もしっかり残っているし。
夜中に車で到着した時、1m以上の子イノシシが3頭、まさにうちの敷地に入ろうとしていたところに出くわして、しばらくじーっと見合ったこともあるし。
ついこないだも、かわいいサイズの大人イノシシが、アプローチの道端にたたずんでいるところに車でご対面して、そのあどけない顔つきにウッカリなごんでしまったし。


でも、こやつらのビヘイビアは、ぜんっっっぜんかわいげない。

そこらじゅうを質の悪いトラクターみたいにほじくりかえして、タンパク質を探すんです。
ミミズがいそうなちょっと饐えた匂いのする土が好きらしく、木の根もと、枯れ草の積んである下、土手なんかがめちゃくちゃ。
きちんと耕してある畑は意外に興味がないみたいで、カブも小松菜もタマネギもまったく手つかずなのですが、その周囲は歩くことができないくらい、でっこぼこです。

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そして何より、土手をやられるのはコワい。
急勾配ながら何とか保たれている土手面をざくざく掘り返してくれるため、土が流出して崖崩れが起きかねない状態なのです。毎度スコップで土を戻し、踏み固めているけれど、範囲と深度がどんどん増えるのでもうやってられない。


じつはうちの周辺の専業農家さんたちの敷地の周りは、数年前から鉄の柵がはりめぐらされています。トウモロコシ畑や水田のイノシシ被害が甚大になったため。
わたしたちが土地を買った頃のようにどこの田んぼにでも入っていけるようなフリーなかんじはなくなり、害獣からの保身のため、ゲイテッドエリアをつくらざるを得なくなってしまったのです。

しかしながら。
うちは、まだ、柵つくってない。
ってか、言ってみれば、イノシシ居住区内にある我が家。。。

そりゃあ、やられるわな。



つい2週間ほど前には、うちに入る道のすぐ脇に、こんなものがセッティングされていました。
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・・・罠だ。
行政が置いたものらしい。
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檻の中には米ぬかが敷かれていました。
匂いでおびき寄せる算段です。

おっそろしいものが置かれたなあ、この中に入ってしまって半狂乱のイノシシと出くわすことになるのか?と考えていると、こどもたちは「あーイノシシかからないかなあ!」「本間さんのつくるイノシシ肉の煮つけ、めっちゃおいしいよね!」などとわくわく話してる。
タフなもんだ。


でも実際は、なかな罠にはかかからないそうです。

だいたいイノシシってやつはとても賢くて、人間の罠なんて視覚的に警戒して入らないらしい。
その上、慣れてしまうと電柵であっても乗り越える図太さがある。鼻の先っちょはびりびりに弱いけど、剛毛の生えている部分は大丈夫らしいのです。しかも、牙は重さ70キロ程度のものならひっくりかえせるほどの力があり、いわば4つ足のユンボ。
また、他の獣はブタの血を凝固させたものなどをまいておくと身の危険を感じて逃げていくらしいけれど、イノシシは自分の子でも死んだらすぐ食べるくらい獰猛で強欲なので、まったく効果がないんだって。
(↑イノシシ本、買って読んじゃったよ)

で、まあつまるところ、知れば知るほど打つ手なしと分かるのよね。
「週末田舎暮らしで困ることとか、ありませんか?」と聞かれると、以前は「スケジュール管理とか~、草刈りです~」と答えていた気がしますが、今では「イノシシっす!」と即答するわきっと。


・・・こうして親が、やられっぱなしで方策もなくシケシケと落ち込んでいるとき。

こどもたちは、こどもたちの考えで、できることをしようと思ったらしく。

寒がりのくせして朝から外に飛び出して、得意ののこぎりでジコジコジコジコはじめた。
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次にニイニが、竹に怪しげな切りこみを入れはじめた。
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んで、切りこんだ部分をばりっ、ばりっ、と掻き取り、そこにもう1本の竹を十字に組み嵌めて、紐でぐるぐるぐると縛ってった。
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・・・古典的な手段だな。
そんなもん意味あるの?

「あるよきっと!だってこれ、ママそっくりじゃん」

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あっは。
ちょっと似てるかも。肩が張ってるかんじとかぽきぽきしたかんじとか。
ってかその服、わたしが着倒したユニクロのボロフリースじゃん。
これ着てるだけでママにしか見えないよなあ。

ただ、いくらママがコワいからって、ママみたいなかかしでイノシシが退くか?

「これ、まっじ最強だよ!!!つよそ~~!」

そうか?顔はちびまること思うけど。
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マメもたいそう気に入って、かかしにまとわりつきます。
「ママ―♪」
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ママじゃないって。


・・・ただ、もしこれでイノシシがびびってこなかったら、かなりステキなことじゃないか?
畑の真ん中に突き刺したかかしは思いのほか存在感があり、こりゃあひんぱんに服を着替えさせれば、けっこうイケるかしら♡と気分が盛り上がります。


気を良くしたニイニは、翌日もうひとり増産。
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悲惨なかんじに崩されている土手の真ん中に、ぐさっと突き立てておりました。
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どうせならドスのきいた怒り顔にすりゃいいのに、なぜかまたイイ人風の顔。
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しかし、楽しいもんだなかかし。
この調子で毎週かかしを増産して敷地内にかかしが林立してれば、イノシシ来なくなるかいな?

帰り際に車の窓をあけて「じゃ、よろしく頼むよ!」とかかしに声をかけると、心なしかこくっとうなずいた気がしました。

よし。魂入ったな。


追:家に落ちていた、ポチンのかかし設計図。
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by babamiori | 2011-12-22 19:29 | 週末の出来事
海、残土、じぶん。
ニイニのブログから2週間後。

そんなにやたら釣れないっていうのに、図に乗った父子はまたもやカサゴ狙いで釣りに行きました。

そして、かかったのは、言わんこっちゃないのゴンズイ4匹。
カサゴのカの字もなかったそうです。
でも強がって、「無風の夜の海は、釣れなくても気持ちがいい」「堤防の上で寝ころんで空を見ているのがいいんだ」とか言ってましたけど。
釣れたほうが俄然いいんじゃないかと思うんですけどね。おほほ。


・・・南房総?おうちはどこですか?と聞かれたとき、海沿いではなく低い山に張り付いたところにありますと言うと「あー海より山がお好きなんですね」と理解されがちですが、感覚としては海も山くらい身近です。
もちろん歩いてビーチに行けるワケではなく、海まで車でけっこうな距離を下るのですが、30分走ったところにある海でも「じぶんちの海」と思える。なんでだろ?

よく考えれば、館山に買い物に行くときも車で15分くらい走りますが、これもまったくたいしたことない距離に感じます。走り出したらほぼノンストップ、信号が途中1か所くらいしかないって、ドライブのストレスが思い切り軽減されるんだな。東京だと車で家から30分くらいかかる表参道に行くのと同じ距離なんだけど、気分的にはすぐそこのスーパーに行くかんじ。

たぶんわたしたちに限らず、距離感覚が東京とぜんぜん違うなあと思います。N田さんも「丸山までちょっと忘れ物とりに帰ってすぐ戻ります」なんて気安く往来するけど、距離はけっこう片道15キロ以上ある。
「鴨川のおそば食べに行こう」と言っても軽く20キロ以上。都心を突っ切って実家に帰るとき「あーとおいなー」と思う1時間弱くらいの距離を、つるっと走る。

ま、アメリカ旅行の時なんて1日700キロとかふつうに走るけどね。
東京―岡山間だ。


そんなワケで、館山の海なんかも「じぶんちの海」って勝手に思えているわけです。
夏になるとよくブログに登場する、あの美しい海も。


それが。
最近、不穏な動きを耳にするようになりました。

「神奈川県の建設残土を館山港まで船で運び、そこから坂田という地域まで、3年間ダンプで毎日100トン運び、捨てる」という計画です。
残土の総量は、東京ドーム1杯くらい。
埋め立てたところは、みかん園にするという計画らしい。


うーむ。。。

どうなのこれ?

心配な点は、すでに活動している団体のHPに詳しいのですが、かいつまむと以下の点など。

・持ち込まれる残土は汚染されていないか?
・処分場から流れ出る水が海に流出し、海をよごさないか?
・狭い海沿いの道をダンプが毎日100台通って危険ではないか?観光への影響は?
・傾斜が50度の斜面での埋め立て計画、豪雨などで崩落しないか?


あの、サンゴや熱帯魚のいる竜宮城のように美しい我が里海が、ホントに汚されてしまうんだろうか????
そしてのどかな海沿いの道は、ダンプぶんぶんだって?
うーーーーむ。。。
読む限りでは不安満載。


ここに限らず、千葉県は他県の残土や産廃の受け入れが多く、房総半島の環境を荒らしているということで以前から問題視されている部分もあるようです。さらに、房総の山を切り崩して、建築資材として山砂を販売するため里山の破壊が進んでいるらしく、館山自動車道から見える景色でもそれは容易に確認できます。


たまたた自分の大好きな海の付近に問題がふりそそいだからって今さらショックを受けるというのも変な話ですが、正直、「残土処分」についてこんなに親身に考えたのは、生まれて初めてです。

そして思う。
わたしは曲がりなりにも、建築という分野の仕事をしてきたにもかかわらず、今まで「建築残土」について考えたことがなかったなんて、とんでもなく恥ずべきことなんじゃないか、と。


建築をつくるときには、前のものを壊すわな。
そしたら産廃や残土が出るわな。
それが、環境破壊の源となってる。
でもつくる方は、現場から産廃や残土が消えれば、その存在は意識からも消える。

言うまでもなく、産廃や残土はしゅるるる・・・と煙とともに消えてなくなるワケはなく、他の場所に移されるだけで、そこで「環境破壊」が起きている。

かたや、新しい建築は、それは別の世界のことですと言うに等しくまるで語らず、エコとか環境とかを堂々と謳っちゃったりする。


・・・実は来年度、NPOの活動の中で、建築系の学生と農業系の学生のコラボを考えているのですが、その中でランドスケープの仕事をするメンバーから「農学部などの学生には『つくることは、壊すこと』という感覚があり、自分たちが創作することを躊躇するような心の動きがあるんじゃないか」という意見が出たりしていました。
その場では、さらりと聞いて納得したような気分になっていたけれど。

建築にまつわることを生業とするのであれば、『つくることは、壊すこと』というセンスを、苦しくとも取り入れなければならないと、改めて思いました。


「わたしたちの海を汚さないで」と声をあげ、環境アセスメントの手法を取り入れる要請などの行動を起こすと同時に、つくりつづけ、壊しつづけるのは、このような生活をしている自分たち自身であるという自覚を持つことが必要だと痛感します。


敵を外に持つと、元気に責められるけれど、自分をも敵とすると、動きにくくなりますよね。
だけどさ。
目をつぶらないで生きていこうよね。せめて。

美しかったり、楽しかったり、幸せだったりする世界の裏側には、その負荷を引き受けている世界が、必ずあることも。




・・・ああ。それでも。

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この静かな海を、守れればと思う。
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by babamiori | 2011-12-09 17:16 | 南房総のこと



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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