タグ:坂田の残土問題 ( 1 ) タグの人気記事
海、残土、じぶん。
ニイニのブログから2週間後。

そんなにやたら釣れないっていうのに、図に乗った父子はまたもやカサゴ狙いで釣りに行きました。

そして、かかったのは、言わんこっちゃないのゴンズイ4匹。
カサゴのカの字もなかったそうです。
でも強がって、「無風の夜の海は、釣れなくても気持ちがいい」「堤防の上で寝ころんで空を見ているのがいいんだ」とか言ってましたけど。
釣れたほうが俄然いいんじゃないかと思うんですけどね。おほほ。


・・・南房総?おうちはどこですか?と聞かれたとき、海沿いではなく低い山に張り付いたところにありますと言うと「あー海より山がお好きなんですね」と理解されがちですが、感覚としては海も山くらい身近です。
もちろん歩いてビーチに行けるワケではなく、海まで車でけっこうな距離を下るのですが、30分走ったところにある海でも「じぶんちの海」と思える。なんでだろ?

よく考えれば、館山に買い物に行くときも車で15分くらい走りますが、これもまったくたいしたことない距離に感じます。走り出したらほぼノンストップ、信号が途中1か所くらいしかないって、ドライブのストレスが思い切り軽減されるんだな。東京だと車で家から30分くらいかかる表参道に行くのと同じ距離なんだけど、気分的にはすぐそこのスーパーに行くかんじ。

たぶんわたしたちに限らず、距離感覚が東京とぜんぜん違うなあと思います。N田さんも「丸山までちょっと忘れ物とりに帰ってすぐ戻ります」なんて気安く往来するけど、距離はけっこう片道15キロ以上ある。
「鴨川のおそば食べに行こう」と言っても軽く20キロ以上。都心を突っ切って実家に帰るとき「あーとおいなー」と思う1時間弱くらいの距離を、つるっと走る。

ま、アメリカ旅行の時なんて1日700キロとかふつうに走るけどね。
東京―岡山間だ。


そんなワケで、館山の海なんかも「じぶんちの海」って勝手に思えているわけです。
夏になるとよくブログに登場する、あの美しい海も。


それが。
最近、不穏な動きを耳にするようになりました。

「神奈川県の建設残土を館山港まで船で運び、そこから坂田という地域まで、3年間ダンプで毎日100トン運び、捨てる」という計画です。
残土の総量は、東京ドーム1杯くらい。
埋め立てたところは、みかん園にするという計画らしい。


うーむ。。。

どうなのこれ?

心配な点は、すでに活動している団体のHPに詳しいのですが、かいつまむと以下の点など。

・持ち込まれる残土は汚染されていないか?
・処分場から流れ出る水が海に流出し、海をよごさないか?
・狭い海沿いの道をダンプが毎日100台通って危険ではないか?観光への影響は?
・傾斜が50度の斜面での埋め立て計画、豪雨などで崩落しないか?


あの、サンゴや熱帯魚のいる竜宮城のように美しい我が里海が、ホントに汚されてしまうんだろうか????
そしてのどかな海沿いの道は、ダンプぶんぶんだって?
うーーーーむ。。。
読む限りでは不安満載。


ここに限らず、千葉県は他県の残土や産廃の受け入れが多く、房総半島の環境を荒らしているということで以前から問題視されている部分もあるようです。さらに、房総の山を切り崩して、建築資材として山砂を販売するため里山の破壊が進んでいるらしく、館山自動車道から見える景色でもそれは容易に確認できます。


たまたた自分の大好きな海の付近に問題がふりそそいだからって今さらショックを受けるというのも変な話ですが、正直、「残土処分」についてこんなに親身に考えたのは、生まれて初めてです。

そして思う。
わたしは曲がりなりにも、建築という分野の仕事をしてきたにもかかわらず、今まで「建築残土」について考えたことがなかったなんて、とんでもなく恥ずべきことなんじゃないか、と。


建築をつくるときには、前のものを壊すわな。
そしたら産廃や残土が出るわな。
それが、環境破壊の源となってる。
でもつくる方は、現場から産廃や残土が消えれば、その存在は意識からも消える。

言うまでもなく、産廃や残土はしゅるるる・・・と煙とともに消えてなくなるワケはなく、他の場所に移されるだけで、そこで「環境破壊」が起きている。

かたや、新しい建築は、それは別の世界のことですと言うに等しくまるで語らず、エコとか環境とかを堂々と謳っちゃったりする。


・・・実は来年度、NPOの活動の中で、建築系の学生と農業系の学生のコラボを考えているのですが、その中でランドスケープの仕事をするメンバーから「農学部などの学生には『つくることは、壊すこと』という感覚があり、自分たちが創作することを躊躇するような心の動きがあるんじゃないか」という意見が出たりしていました。
その場では、さらりと聞いて納得したような気分になっていたけれど。

建築にまつわることを生業とするのであれば、『つくることは、壊すこと』というセンスを、苦しくとも取り入れなければならないと、改めて思いました。


「わたしたちの海を汚さないで」と声をあげ、環境アセスメントの手法を取り入れる要請などの行動を起こすと同時に、つくりつづけ、壊しつづけるのは、このような生活をしている自分たち自身であるという自覚を持つことが必要だと痛感します。


敵を外に持つと、元気に責められるけれど、自分をも敵とすると、動きにくくなりますよね。
だけどさ。
目をつぶらないで生きていこうよね。せめて。

美しかったり、楽しかったり、幸せだったりする世界の裏側には、その負荷を引き受けている世界が、必ずあることも。




・・・ああ。それでも。

b0128954_1713631.jpg



この静かな海を、守れればと思う。
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by babamiori | 2011-12-09 17:16 | 南房総のこと



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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