タグ:家 ( 9 ) タグの人気記事
楽しそうに苦労している彼と、クイズと、ミリィ。
田舎暮らしをするのなら、まあ、たいていのことは、自分でできなきゃね。

たとえば、畳をかえたら古畳は自分で燃やす。
イカれたトラクターを修理する。
落ちた屋根瓦を補修する。
大雨で水が溜まったら暗渠や明渠をつくる。
納屋が欲しければ自分で建てる。

とかさ。
「Do It Yourself」って言葉が「家の中は自分で歩こう」と同じくらいの価値しか持たないほど、それが当たり前なのです。

上記のとおり、田舎でいう「自分でできなきゃ」はレベルが高い。高すぎる。東京に住んでたら「するか?そんなこと。素人にはムリムリ。外注外注。」といった類のことでも、自分でするのが当然。
20代までの女の子なら「わーわたしできませ~ん。おねがいします~」で通ることでも、30以降は誰も振り向いてくれない。「手前でやれ」と。できないとダメ人間でしかない。それと同じかね。
永年20代みたいな甘ったれは、都会では通用しても、田舎暮らしではなかなか立ちゆかないもの。
だって実際、行政はなんにもしてくれないし、自然が近くにある分天災やトラブルも多いしね。


きっと、「自然いっぱいの田舎暮らしっていうイメージは好きなんだけど、いろいろ自分でやるのがめんどくさいから、やだ」という方は、かーなーり、いると思います。

斯く言うわたしも・・・まさにその典型。
だいたい、上記の5項目のうち、1番目くらいしか自分でできない。
恥ずかしながら、都会の外注気質をひきずったまま、いろんな方々のお世話になりながら生きているのが現状です。(・・・そう。それでも何とかやっていけるのだが、やってもらうことに対して「自立してないなー」という恐縮した気持ちになるのが、大きな違い。)
トラクターが壊れればN田さんに見ていただき、屋根瓦が崩落すれば村上さんに見ていただくというかんじ。田舎暮らし試験があったら40点で不合格という程度のお粗末さで情けない。

そんな、わたしみたいに甘ったれた根性の、あなた。

この家族を見よ!!!

わたしたちと同じくらいの時期に、東京から完全に移住してしまった家族です。
このブログには頻繁に出没していますが、単なる釣キチ父さんと思ったら、なんのなんの。

村上さん設計で新築の家をたてているところらしいが、かなり自分で施工しているらしい!
フツウ、土留めとか自分でしないでしょう。
(そのへんの詳細は彼のブログに書いてあります)


物見高いわたしたち。
村上さんの工房に、のこのこ遊びに行くと・・・
b0128954_1421761.jpg

彼らはこれを、切り出した材にひたすら塗っていました。
どろりと茶色い、ココアみたいな液体。

これ、「柿渋」なるものらしい。
柿を砕いて絞って発酵させたもので、柿タンニンが防水・防腐の役割をするそうです。
自分の家になる予定の大量に材木(しかも地元の木だって!)に囲まれながら、ぬりぬりぬりぬり。
単純作業だけど、こんなに楽しいことは、ないよね。

うちの子たちもすぐにやりたがり、ぬりぬりぬりぬり。
b0128954_1421234.jpg

・・・かなり邪魔だったはず。すみません。
例によって、やるべきでないことをやっていたと思います。いつもそんなだから、何をやったか忘れた。柿渋こぼしたとか、雑巾以外でそれを拭いたとか。
(関係ありませんが、ニイニの髪型、妙な襟足の処理に笑わぬよう。夫の力作ですので。)

すぐそばに、ぽんと模型が置いてありました。
b0128954_14215488.jpg

うーんビューティフォー。
いつも思いますが、建物は、骨組みが美しい。いつまでも完成しなければいいのに、と思うほど、空間の骨格というのは必然の美しさがあります。特に木造はね。
模型を見ているだけで、胸がきゅーんとしてしまう。

・・・実は、10年ほど前までは、わたしもひたすらこんな模型をつくっておりました。
決して器用ではないのになぜか建築設計の道に没入していき、職人技を必要とされる場所で四苦八苦していたっけ。芸大生とかがさらっと美しい模型を作る中、なんとなく精度の出ない模型をつくっては落ち込むアルバイト時代もありました。
好きなことと、得意なことが、一致しないジレンマってあるんです。
たとえばニイニが無類の野球好きなのと一緒でさ。アハハ。

閑話休題。

柿渋と材木の、くんとするような匂いを嗅ぎながらみんなで話していると、何だかとても豊かな気持ちになったわたし。
畑仕事もそうだけど、生のものに触れている時間って、実にいいもんです。
b0128954_14221586.jpg

家って、大きな買い物ですよね。
だからみんな夢ものせるし、真剣に取り組むし、その分クレームも多くなる。
「こんなに大枚はたいて買ったのになんだ!!」って、不良品の家電に文句を言うみたいに建築家や工務店に怒鳴り込む人もいます。建築家と施主が一緒に決めてつくったものなのに、その一端を担う気持ちが持てないらしい。
でももしこうやって自分も作業に参加しちゃったりすれば、「おまかせ&クレーム」のみという冷ややかなポジションではなくなり、自分の家だし自分でつくってるしなあという育ての親の愛情も出てくるんじゃないかな、なんて思いました。
こどもは手をかけるほどかわいい、と同じだね。(野菜もそう。)

ちなみに、こうして田舎暮らしの王道を生きる彼のいちばんすごいところは、「大工仕事は大の苦手」「自分は不器用でものぐさ」と臆せず言い放つところ。
嫌いなくせに、なぜつくるんだ?家の前に、物置だって自分でつくったじゃないか!と詰め寄れば、なんだかんだうにゃむにゃと、奥さんがこだわりのあるせいにしてみたり、経済的なもんだいだと言ってみたりする。
でも、きっと彼は、つくることの大変さ以上に嫌いな何かがあって、こういうことやってると思うんです。

想像するに・・・それは「外注の精神」なのかなと。

楽ちんって違う。と思っている何かがあるはず。
楽して得する。みたいなケチ臭い生き方はつまんねーと思っているとか。
楽ちんじゃない方が楽しいもんね、って気付いちゃったのかもしれない。

きっとそう聞けば、「いやー楽したいですよーマジで」って言うんだよ多分。
でもきっと、そんなの口ばっか。
楽しそうに苦労している姿に、「こいつは何か隠しているな」といつもクンクンかぎまわっているわたしであります。(単に、ホントは大工仕事がだーいすき!!なのかも。。)

あ、言い忘れましたが。
村上さんは、この時不在でした。
予報で「今日は冬の嵐でしょう」といっていた荒天にもかかわらず、サーフィンしてたそうな。
村上さん・・・3ヶ月前からサーフィンにハマって、仕事に身が入らないそうです。まったくなあ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クイズの答えですが、もったいぶって恐縮です。
ただいま、発表に向けて準備中。週明けにでも正解を出しますので、しばしお待ちを!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして。

ミリィのことでは、コメントやメールにて、たくさんの暖かいおことばをありがとうございました。

ブログでは数度の登場でしたが、我が家にいらした方には漏れなく強烈な印象を与える存在だったので。(すごく大きな声で「何しに来た!!」「誰のうちだと思ってるんだ!!」「うまそうだな、オレにもそれをよこせ!!」といわんばかりに叫ぶから。ちなみに雌雄は最後まで分からず。)
オーストラリアで何年飛び回っていたのか分からない状態で日本に連れて来られて(ワシントン条約ができる前です)、長野のペットショップの人が自分のお店用に7年飼っていたというのを義母が旅先で見そめて買ってきて、うちに来てから20年以上。わたしとは、7年の付き合いでした。
未来永劫生きているのではないかと思わせる風格があり、寿命という概念を当てはめてミリィを見ることはありませんでしたが、ひょっとしたら天寿を全うしたのかもしれません。

ミリィは、三芳村の家の近くに、埋葬することにしました。
今週末、連れて行きます。(ただいま冷凍チキン状態。。)

うちのサンルームは、今ほんとうに、静かです。
ミリィのいたところで、百合の花が咲いています。


b0128954_15445891.jpg

[PR]
by babamiori | 2009-12-15 14:40 | 田舎暮らしのこと
外注だと1枚2500円くらいらしい。
あー、付き人のいる芸能人になりたい。

日常でやっかいなことに突き当たると、わたしはいつも反射的にこう思います。
パソコンがなぜか立ち上がらないとか、たかーいところにあってどうやってはずしたらいいのかわからない照明器具の中の電球が切れたとか、飛行機のチケットで思い通りの便がとれないとか、マメがいて荷物大量で雨降っていてどうしても銀座まで行かなければならないとか。

なんかそういう七面倒くさいことをしなくてよさそうじゃないですか~付き人のいる身分だと。よくわからないけど自動的に手配してくれている、みたいな。
別に芸能人でなくてもいいんだけどね、執事のいるような身分とかでも。
いやもっと言えば、すごくマメな夫がいてくれればいいのかもしれない。「うちのことは何でもやってくれるんです~あのヒトって」と自慢できる夫。
たまにそういう方をお見かけすると、思わず根掘り葉掘り聞いてしまいます。「お料理はできるんですか?じゃあアイロンは!?掃除機も!?奥さんが夜外出しても許しますか!?食事作って待ってるんですか!!へ~~~・・・スゴいな~~~・・・」と。

ご承知の通り我が夫は、超ウルトラ不器用。
けっこう手伝ってくれる気持ちはあるし、実際こどもたちの世話などは率先して引き受けてくれたりするのですが、どうしようもなく不器用。まあ本人のせいではないといえばないのですが。
だいたい手伝ってもらおうにも、スーパーで買い物したものを袋詰めすることもできないんです。(なぜって、レジ袋を開けられないから。)
汁物はこぼす、ワレモノは割る、上からモノをとると落とす、捜し物は見つからない、字はあまりに汚くてフツウに速記文字、それでも精神だけは清潔好きだったりきっちりしていたりするので、やりたいことが自分の能力をすぐに超えてしまっていちいち「あ~みおり~~~!!」とお呼びがかかる。騒げばわたしがやってくれると思っている。
そしてわたしは心の中で「こういうことぜーんぶやってくれる付き人が欲しい」としんねり考えている。(そういう観点で夫選びしなかったについてはあえて自問しないようにしている。)


と、いわゆるダメ人間なわたしたちなのですが、ひとたび三芳村に行くとなぜかけっこう働き者になってりしています。東京では外注するようなことでも、「いっちょやってみるか」とがんばってみる気になるんです。(そもそも外注するところがないんだけどね。)

田舎で暮らすヒトたちは、たいていのことは自分たちでやってしまいます。工具を直したり、お漬け物つくったり、家のメンテをしたり。そんなもんじゃなくて、都心だと「行政のやるべきことでしょ」と思われているようなことでも、自分たちで全部やる。溝の清掃、公道の補修や清掃、消防だってやってしまうというかやらねばならない。
そんな中で、「わたしじゃできないわ~業者に頼みましょ」なんて口が腐っても言えません。都会ではお金にあかして何でも外注する生活は楽ちんで優雅に見えますが、田舎では「生きる力がありません」と言っているようで恥ずかしいんだから、不思議です。

たとえば、障子の張り替え。

障子、ちょっと茶色いよな・・・と思わないでもなかったし、破れてるところが10カ所以上あるな・・・と知らないわけではなかったのですが、ま!こども小さいし!張り替えてもすぐにやぶれるさ!と自己弁護しながら先延ばししてたわけ。
(だいたいわたしの実家も夫の実家も外注タイプの家でして、障子を自分で貼っているのを見かけたことがなく、よくわからないから余計に億劫ってわけ。子供は親を見て育ちますから、そのあたりは注意せねばと思います。)

それが先日、ふと「障子くらい張り替えるかな」と思い立ち、カインズホームで障子紙と糊とカッターを買ってしまい、一瞬邪道かなと迷ったけど「障子はがし剤」というやつも買ってしまい、いよいよ張り替えに乗り出しました!

ところでうちの障子って何枚だっけ?えーと・・・
2+4+8+4=18枚。
けっこう多いな。でもはがして貼るだけだから、ま、半日ありゃできるだろ。

こどもたちに「これから障子を張り替えるので、特別に穴開けてよし!」と申し伝えると、そりゃもう大喜びで障子に向かい、人差し指でポスポスポスポス。
b0128954_836284.jpg

ぐっちゃぐちゃにするかと思ったら、意外に整然と穴開けてました。
こういうデザインの障子なんです、と言われれば、そう見えなくもない。
b0128954_836425.jpg

次に障子をはずしてそおっと寝かせ、「障子はがし剤」を桟に沿ってずいずいと塗っていきます。わたしがせっせとやっていたらこどもたちがうろうろまとわりついてきて、「ねーやらせてーやらせてー」とうるさい。
ニイニがやると障子紙の吸水キャパをはるかに超える量をぶじゅぶじゅと塗りたくるし、ポチンが塗るとか細い線でしかも桟から脱線してしまうしで見ちゃいられません。こどもの手伝いは自分だけでやるより100倍手がかかるというのが世の常人の常。
b0128954_837558.jpg

充分に塗ったあと、はじっこから障子紙をそろそろと剥がしていきます。
わたしが剥がし残しなきよう丁寧にやっている脇で、こどもたちは「ウォーイ!」と一気剥がしで全面に剥がし残しが。
「あなたたちクビですクビ!」と蹴散らして、やむなくわたしが尻ぬぐい。はじめは濡れ布巾などでカスを剥がしていたのですが、濡れた障子紙の切れ端でしごくときれいにとれることを発見!見なさいママを。うまいもんでしょ。こうやってやりゃいいのよ。とぶつぶつ言うもギャラリーはもはや存在せず。言葉を知らないマメが脇で座って、よだれを垂らしながら聞いてくれました。

やっと2枚剥がしたぞ!
b0128954_838773.jpg

障子も、桟だけになるとハッとするほど美しいものだなあ。
いっそこのまま貼らずに終えて、格子戸の美を堪能するのもいいかな、とチラッと考えましたが、我が家ではこの薄い膜の断熱だけを頼りにしているので、やっぱり貼らなきゃな。

桟の水分をとばしたら、こんどは糊づけです。
糊のボトルの説明を読むと「たっぷり塗ります」と書いてあるので、桟にこんもり乗るように塗っていきました。
図工の時間みたいなもんです。単純でけっこう楽しい。一人でやっていればね。
傍らにマメがいるという環境はそれを楽しむというゆとりなど微塵もなくなるということであり、いつの間にかごろんと寝っ転がってヒイヒイ泣き始めたマメに「もうちょっとで終わるからね~」と声をかけながら焦って塗るのはそんなに楽しくありません。
b0128954_8382250.jpg

だいたい、2時間くらいで全部終わらせてのんびり焼き芋でもしようと思っていたのに、1時間経ってまだ1枚目も張れていない・・・
18枚やると18時間かかるぞ。
見積もってた時間の9倍もかかるぞ。

そこに、ビニルハウスから夫が戻ってきました。
「お、やってるねえ」
やってるねじゃないよ。マメ見ててくれる?集中したいから。
「いいけど、ねえ、その作業オレが代わろうか?」

キタキタキタキタ!
楽しそうに見えたんでしょう、わたしのやってること。夫から「やらせてーやらせてー」というオーラが漂っています。

でもね、だーめ。だめだめだめだめっ。
あなたが張ったら糊はだらだら、紙はグニョングニョンになるのが目に見えている。大変だけどこれはわたしの仕事、あなたはマメ見てて頂戴。
「いや!これならオレだってできる。いいから代わろう」
え~。ホントにだいじょうぶ?
どんなに固辞してもやると言い張る夫に根負けしたわたしは、じゃあ・・・お願いね・・・と糊を渡してしまいました。

夫は、じとーっと見ているわたしの前でけっこう手際よく糊を塗り、なんだうまいじゃない!!と驚くと気をよくしたのか「紙だって張れるさ」とどんどん作業を進めていきました。
あー紙張るときはこのシールで紙を桟に止めるのよ、と教えても「いいの。オレはオレ流でやるの」といきなり障子紙を桟の上にころころと広げました。

ヒーーー大丈夫?!そういう手順を端折るとどこかでヘマするよ!!

というわたしの心配をよそに、これまた結構上手。ちゃんとピンと張れてる!
「どうだ。おまえがやるよりうまくできるぞ」
もう、鼻の穴なんて掃除機みたいに広がりまくりで得意満面な夫。
カッターを手に、きこきこと障子紙を切っていきます。
b0128954_8393141.jpg

わたしは、障子紙と格闘する夫を、ほぉーと思いながら見つめていました。

信じられない光景だわ・・・
なんもできないと思ってたら、やりゃあできるんじゃない!
フツウに手も指も動くし。
まっすぐ切れてるよ紙。
オレは不器用でやりたくても無理なんだと言っていたのはひょっとして、やりたくないから?
わたしは思わず同居の義母に電話して「今あのヒト、障子張ってます!!ウソじゃないんです!!」と驚きを分かち合いたくなったほど。

とそのとき、「みおり!なんかカッター台ないか?」とけたたましい声。
な、何に使うの?
「いいから早く!」
そんなもの持ってないので仕方ないからまな板を差し出すと、何やら必死の形相で障子紙を切り刻んでいます。
なにそれ?その5ミリ×5センチくらいの小さい短冊。
「なんかいつの間にか桟より内側切ってたんだよ。穴あいちゃうから補修しなきゃ」
見ると確かに切った線が脱線していて、うっすら隙間が。
張り替え前からもう、補修ですか。
しかもその後も口出しせずに見ていたら、何ヶ所も脱線して小さい短冊を張ってるし。

遠目で見ると、けっこうきれいなんだけどね。
b0128954_8443298.jpg

近づくとわりと、垂れてるけどね。
b0128954_8445087.jpg

・・・手作り感満載。

結局この日は、東京に戻るぎりぎりまでがんばって障子5枚しかできませんでした。
そろそろ雑草も生えてきたし畑もやりたいのに、あと13枚もいつ張ればいいんだあー!
(すでに全ての障子にこどもたちの指の穴があいてるし。)
あと数ヶ月で歩くようになるマメが、この苦労の結晶を穴だらけにしたとき、わたしは果たして怒らずにいられるだろうか??
[PR]
by babamiori | 2009-02-13 08:45 | 田舎暮らしのこと
好対照をなす家、2軒。後編。
たまに、三芳村のセカンドハウスの近くでオープンハウス(建築家が竣工直後に知り合いを招いて自作を公開する見学会)があると、とっても得した気分になります。

大抵オープンハウスって週末にあるし、週末といえば大抵わたしは三芳村にいるしで、せっかく案内をもらっても「どーせ行けないもん」としょげることが多いのですが(オープンハウスに限らず仕事や付き合いも限られます。だから週末に何かお誘いがあるといつも「それでも三芳に行きたいか?わたし」と自問・選択することになる。で、悩んだ挙げ句、結局ほとんど三芳を選ぶんだけどね。)ごく希に現地が房総の南の方だったりするオープンハウスがあると、超ラッキー!
野良仕事の間隙を縫って「ちょっくら行ってきます!」と勇んで出かけるわけです。

先日行ったのは、館山の住宅地でのオープンハウス。

しょっちゅう通っている館山バイパスをすっと逸れ、一本奥に入っただけで、見慣れない住宅地が広がっています。これって、南総里見八犬伝の城下町だから?と思わせる雁行した道には、立派な生け垣の広い敷地の家が並んでいました。うわ~もし東京だったら田園調布級の高級住宅地だよ~と言いたくなる。ぱっと見、敷地面積100坪級。建っている住宅はゴージャスでもなくフツウなので特別な感じがせず、ずっと見ていると「あ、これくらいの敷地って、家を建てるのに適正の広さなのかも・・・やっぱり20坪とか30坪に家を建てて住むって、窮屈な話なんだな」と思えてきます。東京だと、「敷地50坪?広いじゃん!」ってかんじなのにね。

そんなこんなに目を奪われているうちに道はどんどん狭くなり、いつものように、いつのまにか、迷った・・・

「おまえがちゃんと調べてこないからだよ!」と夫は怒り、「住所ナビに入れたけどナビがボロくてナビんないの!!」とわたしも逆ギレし、チャイルドシートが3つ並ぶ幅広の車で狭ーい道をジクザグ走るというストレスから「やっぱり軽トラじゃないといろいろ不便!!」と車にまでとばっちりがいき、結局にっちもさっちもいかなくなって「すみませ~~ん、近くまで来て迷っちゃったんですけど~~~」と村上さんに電話する羽目に。

そう、今回のオープンハウスは、三芳一の大工、村上幸成さんの設計した家です。

立派な生け垣の街区の隣の街区は閑静な新興住宅地で、建築中の家もちらほら見える中、その家はひっそりと完成していました。

一見簡素なんだけど、どことなく重みがあってお腹にずんとくるかんじ。
おそらく、軒裏の木組みの印象でしょうね。
b0128954_17401663.jpg

けっこう灰汁の強い家を見ることの多いわたしとしては、とても静かで簡素でフツウなかんじが、むしろ新鮮。この家からはウェブデザイナーとかフードコーディネーターとかファッションライターとかは出てこなそう。

「おじゃましま~す」
中に入るとすぐ、すっきりしたリビングダイニング。何よりも木が大好きな村上さんがつくる家だけあって、床も天井も建具も、すべて仕上げが無垢材です。
b0128954_17404446.jpg

部屋中にうちの庭でとれる水仙と同じくらい強い木の香りが漂っています。

「ああー、このにおい」

わたしの父の実家は7代続く材木屋なので、強烈な木の匂いを嗅ぐと小さい頃のいろんなことをうわっと思い出すんです。
「みんなで外で遊んでいらっしゃい」と外に出されても、信じられないくらい恥ずかしがり屋だったわたしはいとこともろくに馴染めず、ひとりで裏側の大工さんのたまり場にこそこそ逃げて、おがくずの匂いを嗅いで時間を潰してたなあ。とか。
自分の家にはこの匂いがしないけど、建ててからもずうっとこの匂いがすればいいのに・・・と思ったなあ。とか。

人知れずそんな感慨に浸りつつ中を拝見すると、中もとってもフツウの家。「お!これは面白いですね!」という目立ったデザインもなく、「この空間はなんとかをイメージさせる」といった抽象的な雰囲気もなく、本当に実直に、生活のうつわとしての空間があるんです。
ただふっと、きもちいいな、と思わせるものがある。

と、こどもたちが大きな声をあげました。
「あ!うちのトイレ!」
なに?と思って見ると、
b0128954_17412936.jpg

突き当たりのトイレの扉・・・あはは、うちのトイレの扉とおなじだ。ちなみに村上メイド。
「ははは、ばれちゃいますね。扉のデザインは、ぜんぶコレなんです」
知ってますよ村上さん。
だって村上さんの事務所の扉だってそうじゃないですか~

階段をのぼると個室が3つ並んでいて、上の方は空気がつながっています。
b0128954_17414884.jpg

こちらも木組みが見えて美しい。
そしてやっぱり、シンプルすぎるほどシンプルな内観です。

各部屋から出られるながーいベランダもすっきりと仕上がっています。
さっき外から見えた軒裏、アップで見てもやっぱりきれい。
b0128954_1742213.jpg

「いいでしょー、軒裏。きれいだよねえ」
軒裏を見ているときの村上さんは思いっきりにこにこしていていちばん得意そうです。自画自賛しても嫌味じゃないんだからなあ。いい性分だわ。

ところで村上さん、些末なことで恐縮ですけど、木組みにこだわっているんならやっぱり、エアコンとかは美観を損ねるからどこかに収納してあるんでしょうかねえ?
「あー、いや、まだつけてないです」
へ?うちとおんなじで、空調なし?
「いやいや、これからね、お施主さんがつけるんで。量販店で買って」
・・・す、すごいこだわりのなさ。
じゃあ、このすっきりとした空間にボンと、丸出しで、つけちゃうんですね。
「やっぱり安いしね。量販店でやったほうが」

村上さんと話していると、ホントに調子が狂います。
いわゆる建築家がこだわりそうなところをとってもあっさりと処理していて、手間をかけていない。設備系はまったくどこにでもある既製品だし、空間構成も「いいの?」ってくらいあっさり。それについてはちょっぴり指摘しても、「そうね」とかわされ、気にもしていない様子。

そのかわり、家をつくるベーシックな部分、つまり木材とその構造については、驚くほどこだわっているんです。
いただいた説明書きの紙を見ると、デザインについてはほとんど言及しておらず、そのほとんどがこの家で使われている構造材「樹齢80年以上の千葉県産の天然乾燥材」の素晴らしさと、寺社のように金物に頼らず木組みでつくる方法の詳細が書かれています。

さすが、数寄屋建築をつくる親方に弟子入りしていた大工さんだけのことはある!


そういえば、この家に入ってからなんとなく感じていた「いいかんじ」の正体ですが、これっておそらく、家の中で木組みが見えていることなんだろうと思いました。

よく、建築中の現場を外から見ていて「家の骨組みって美しいな-」と思うことがあります。壁や天井で仕上げないで、このままのほうがずっとずーっと魅力的な空間だろうにって。それでもほどなく外壁のサイディングがぱかぱかっと貼られて、あっという間にプラスチックペカペカハウスができちゃうんだけどね。
そうするともう、中に美しい木の骨組が入っていることが信じられない。

この家は、まあ、ぶっちゃけ地味な空間なんですが、しっかりと職人がたてた家の安心感と心地よさがそこはかとなく漂っています。驚きはないけれど、木組みの美しさを見るとこの家をつくった大工がこれを愛して、楽しんで、ひたむきにつくったことがよく分かる。

それにしても前回触れた住宅とはまったく異なる志向の家です。
あっちとこっとどっちがいいか?そんなのは無意味な質問。
いろんな施主がいて、いろんな設計者がいて、だから住宅は奥が深いのであります。(浅はかなまとめですみませんが。)


何とも言えない感慨を胸に家を出ると、同伴した夫はマメと一緒に先に車に戻っていました。
「付き合い悪いなー。なんで先に出ちゃったの?」
ちょっとムッとして言うと、夫はバツが悪そうな顔でこんなことを言うんです。
「あのさあ、木の匂いが、強烈すぎて・・・オレ、木の匂い、ちょっと苦手なんだよ」

ヒエ~~~!!
そういうヒトも世の中にはいるのね・・・
わたしにとっては恍惚の香りも、夫にとってはツラい匂い。
だから住宅って、難しいですよね。
多数派の意見でも、施主にとってはNGってこと、あるからねえ。
[PR]
by babamiori | 2009-02-02 19:00 | 建築について
好対照をなす家、2軒。前編。
家を建てる。

一世一代の大事業ですよね。労力的にも金銭的にも。
わたしは仕事柄いろんな住宅を見てきていますが(過去にはつくってもきていますが)、まだ自分の住む家を建てたことはありません。

三芳村のセカンドハウスはご承知のとおり「古家あり」の物件だったため、その古家にずうずうしくも転がり込んで住み着いてしまっている状態。すっごい気楽。農家って別に、住むヒトのセンスとかが色濃く反映されているもんじゃなくて、「あー隣りの牛飼いのだれべえさんの家も同じだー」という間取りであり、昔からの典型的な農家の住まい方がそこにはあるので、その枠にすぽっとハマってしまえばいい。
これがけっこうハマり心地がよくて、別に手を加えたくなるようなところはありません。なんか問題があったりしても(寒いだの暑いだのカビだの音だの)「昔この家にいたヒトたちも、まわりのヒトたちも、きっとみんなこういう中で過ごしていたんだなあ・・・」と歴史に身を添わせるような安らかさがあって、ストレスがないんです。

でも、いずれこの家が朽ち果ててしまったり、あるいは土砂で潰れてしまったり(最近の豪雨はすごいからね)、あるいは他の何か必然性が出てきた時は、新築せざるをえない。
自分で設計するんですよね。って?
よく言われますが、しないよー多分。
理由はいろいろありますが、それはまたいずれ。


話はかわって、今回は、南房総に最近建てられた住宅のうち、実際に内覧してみた2つの家をご紹介しようかと思います。

今回はひとつめ。雑誌の表紙なども飾った、けっこう有名な住宅です。

「海がよく見えて、気持ちがよくて、ワクワクするような家にしたいなあ」
と思うヒトはたくさんいると思いますが、それがそのまんま実現されたらどうなるか?!
こちら、ひとつの解を示しています。
海辺に建つセカンドハウス。
b0128954_23194059.jpg

わお!まるで南の島のヴィラみたい!
海に向いた側がぜんぶ窓。大きな木製サッシュがリゾート感を煽る煽る。
家というか、洞穴というかんじです。外から見ているだけで「ああここに入りたいなあ!」という衝動に駆られるのはきっとそのせいでしょう。
目の前に海が広がっていて、洞穴の中からその雄大な風景を眺めるなんて、ちょっと考えても最高のシチュエーションのひとつではないでしょうか。

なにより、掘り出した土器のようなテクスチャが目に心地いい。
絢爛豪華とは対極にあるデザインですが、立地といい広い敷地に対するぽつりとした立ち姿といい微妙な素材感といい、「ぜいたく~ぅ」という印象が強いです。
いいなあ、こんな海近の物件、わたしには手が届かないわ。
ほんと、ステキなおうちでした。

で、終わらないのがすごいところ。
・・・あれ?
b0128954_2320973.jpg

屋根の上になんだか、もやもやしたものが見えますね。
しかも・・・
b0128954_23202284.jpg

上にヒトがいる!
こりゃあ上ってみるしかないでしょう。
(注:これは雑誌の取材に同伴した時のことですので、もちろんオーナーの許可は得て上っております。この家を見かけたからって突然上ったりしないでね。)
家の脇にくっついているはしごをのぼると・・・
b0128954_23203679.jpg

うわあ~
屋根の上が、コスモス畑だ~(ちなみにこれ、11月の写真です。)
いちめんのコスモス いちめんのコスモス いちめんのコスモス 
ス~テ~キ~・・・
海風にそよぐコスモスに囲まれて海を見るなんて、わたしの脳みそでは想定し得ないシチュエーション。なによこれ!夢の中?なんて陳腐な驚き方しかできません。
はっきり言って、わたしたちの三芳の家と交換してくれるというなら、喜んで交換します。
ここなら草刈りだって、ぜんぜん楽そうだし。

って、わたしってばこの美しきコスモス畑見てすぐに「半年後にはここにも雑草が生えだすよなあ、そしたらセイタカアワダチソウ畑とかに変わるよなあ、そしたら刈払い機を屋根の上にのっけて刈ることになるよなあ。どうすんだろ」と想像してしまった・・・
でもホントにどうするんだろ。植生なんてすぐ変わっちゃうし、ほどなく望んでいないつよーい雑草がめらめら生えてくると思うんだけど。

ま、何を言っても負け惜しみにしか聞こえないのは承知の助。
せいぜいオーナーの方とお友達になって、夏にお邪魔させてもらいたいなという矮小な夢を持つのが関の山であります。(なんなら屋根の上の草刈りお手伝いしてもいいです。)


この家は、土とセメントを混ぜてつくった「地層の家」という作品です。設計者は、若手建築家の中村拓志氏。数年前に銀座のランバンなどを設計して一躍有名になった若手の☆です。五感に忠実であり、なおかつキャッチーな空間作りがうまいお方。
この家も、「そうそう、この洞穴感、このスコッと抜けた空気感、草のヒヨヒヨ感、なんかイイカンジの要素がぜんぶ盛り合わせになったかんじだな~。おまけに屋根にのぼれちゃうしコスモス畑が広がってるし意外性もたっぷりでもう、おなかいっぱーい!」と見どころ満載です。

しかも、この建築があることによって海岸のバリューもあがってしまうようなブランド感がある。
今んところこの家のまわりだけにリゾートの空気が漂っていて、周辺はけっこうまったり鄙びているんですが、南房総の海辺にこういう建築がぼこぼこ建ちはじめたら、相当雰囲気変わるだろうなあ・・・
(今の鄙びた感じが、わたしはけっこう好きだけどね。)


というわけでまずは、建築作品としては「派手」と言える、メディア映えする家をご紹介してみました。紹介といっても、あくまで個人的な感想ですのであしからず。
次回は、その真逆をいく作品をとりあげてみますので、乞うご期待!
[PR]
by babamiori | 2009-01-29 23:21 | 建築について
あっちもこっちもあるとたいへんなのです。
肩で息をしたくなるほど忙しい…

年越しを三芳で、と思ったら、これがえらい大変でして。

東京の家の大掃除とお正月の用意をすませてから、出発せにゃならん。

今日なんか、朝いちばんにオウムのミリちゃんのかごの掃除、ピョン吉(カエルではない。ゴールデンレトリバーの名前。仮名ではない。)の居場所の大掃除、ユーティリティーの片付け、トイレ・風呂掃除、昼からはお正月に食べるものの買い物、三芳の家で食べるものの買い物、今日食べるものの買い物、リネンの洗濯、サンショウウオのえさやり(12匹分)、その合間にぽちんがサンタからもらった「ホイップる」という似非生クリームで食べられないケーキやクッキーをつくるというおそろしく手間のかかるおもちゃで遊ぶ手助け、マメの授乳、離乳食、そんでもって三芳にいくための荷物の準備、仕事の人たちへの連絡、などなどなど・・・

ふ~・・・

早くくつろぎたい…

でもあっちでも草刈りも竹刈りも大掃除もあるなあ…
[PR]
by babamiori | 2008-12-28 23:34 | 東京にて
血まみれの週末。
獣の侵入だけでは終わらなかった、我が家の災難。つづくときはつづくものです。

「ガッシャーン!!」

という不穏な音がしたかと思うと、「ギャーッ」とこどもの泣き声が。
どした!?ニイニか?ポチンか?
納屋で軍手の整理と廃棄ホースの始末をしていたわたしは、ものすごく嫌な予感を胸に音のした方へ一目散に飛んでいきました。

見ると、玄関扉のガラスが粉々に割れ、手首を持ったニイニが!

「どどどどしたの!?ニイニどしたの!?」
右の手首から鮮血がどくどくと噴き出しています。
「割ったぁ、割って、切ったぁ、痛いー、痛すぎて痛くないー」
ニイニは引きつって真っ青な顔。
隣でポチンもワーワー泣いています。

「あなたーあなたー!!ニイニが大変!!あなたぁーー!!」

ビニルハウスに向かって走りながら夫を呼ぶわたしの金切り声が畑中に轟きます。
その後から、ニイニが首を斬り落とされて走り回る鶏のように血を流しながらばたばたついてきます。
ポチンも滝のように涙を流しながらついてきます。

「手首か?…深いぞ。やばいな。タオル持ってこい、止血してすぐ病院だ」

ただならぬ気配を察してビニルハウスから飛び出してきた夫は、ざっくり切れたニイニの手首を見ると息を飲み、キッチンタオルで傷の上をきつく縛ると、車のカギを持ってすぐにエンジンをかけました。
わたしは動揺するニイニとポチンを車に押しこみ、家の布団の上で平和にヒコヒコ手足を動かしていたマメをむんずと抱きかかえてチャイルドシートに放り込み、助手席に座るや否や病院に電話。

「息子が手首を切りました」(おそろしいコトバ。)

我が家の近くにはコンビニやスーパーなどは1件もないのですが、なぜか大きな病院はわりと近くに2つもあり、そのうちの1つ、以前夫がスズメバチに刺された時に駆け込んだ方の病院に行くことに。
休日ではありましたが受け入れてくれるとの旨、ひとまずやれやれです。

「ニイニ、血はどうか?」
道を急ぎながら夫がきくと、ニイニは半ベソのまま答えました。
「出てるけど止まってる~。でも縫いたくないよ縫うのやだよぉ~」
どうやら出血は落ち着いてきたようで、タオルから滴るほどではありません。
夫とわたしはそれを確認するとちょっとほっとして、動揺するニイニをなぐさめにかかりました。
「いやあよかったよ、血が止まれば死なないですむぞニイニ」
「そうよそうよ、縫ってもらえば治るんだから、心配しなさんな」
そんな大人のなぐさめは、どうやらなぐさめになっていないらしい。
「だから~~、縫うのがいやなんだよぉ~~」
これから自分の手がどんなことになっちゃうのか、怖くて怖くてたまらないニイニ。
「大丈夫だ。麻酔の注射をすれば痛みは感じないよ」
「やだよ~~注射だって痛いじゃないか~~」
「お前なにいってるんだ。注射なんてたいしたことないぞ。注射しないで縫った方が痛いぞ」
「縫いたくない縫うのやだよぉ~~」
「縫わなかったらくっつかないんだぞ、治らないで腐っちゃうぞ、戦争中なんてけがした人たちは縫うこともできないでそのまま放置されて傷口が膿んで腐って命を落とす人もいたんだぞ」
明らかに戦後生まれの夫はまことしやかにそう言って「お前は恵まれている」的な励まし方をしましたが、ざっくりと切れた手に恐怖しているニイニの耳にはひとことも入ってこない様子。
「でもいやなんだよぉ~~~」

そんな埒の明かない会話の間、ずっとずっと泣き続けているポチン。
あまりに泣き方が激しいので、ちょっと心配になってきます。ガラスの破片が刺さったか?
「ポチンも痛いとこあるの?」
「…」
無言で首を横にふるポチン。
「ニイニの血が怖いの?ニイニがかわいそうなの?」
「…」
ひたすら泣くだけのポチン。
すごい兄弟愛だなあ、そんなに心配しているんだなあ。
でも、ポチンってそんなキャラだっけ。

「ところでさあ、ニイニ、どうしてガラス割っちゃったわけ?」
まあどうせ、いつものように悪ふざけがすぎたんだろうと半ば決めつけて自業自得と言わんばかりの口調で聞いてみると、
「だってーポチンがふざけて玄関の方に走っていってガラスに突っ込もうとするから止めようと思って、危ない!って手を出したら、自分の手のほうが突っ込んじゃったんだよぉ」

なーるほど!
ポチンのせいで、ニイニが大けがしたもんだから、泣いてたわけね。

ポチンの顔を見ると、目の輪郭がぼやけるくらいダーダー涙が流れています。
罪悪感と、血の恐怖、そしていよいよ諸悪の根源が自分であるということがみんなに知れ渡ってしまったという緊張で、石像のように微動だにしません。

「ニイニ、それは偉いぞ、女の子の体に傷がつくと大変だけど、ニイニは男だから手首のけがなんてたいしたことはない。むしろ男の勲章だよ。大きくなったら付き合った女の子に『この傷すごいね、いつの?』ってさすってもらえるよ」
およそニイニには通じないような褒め方をする夫。
ニイニはポカンとして手首をおさえるばかり。血は完全に止まったようです。
「そうそう、すぐくっつくわよ。ママだって、こどもを生むたんびに何針も縫ってるんだから、たいしたことないわよ」
みんなから、心に届かない見当違いな慰めの言葉をかけられながら、ニイニはおろおろ泣き続けるばかりでした。


結局、7針縫いました。
ガラスをぶち破った時にできた傷と、そこから引き抜いたときにできた傷、深いのがこの2筋。
あとは手首の周辺に無数の切り傷がついていました。
縫う時のニイニはそれはそれは大騒ぎで、消毒の痛みで足をバタバタさせて悶え、麻酔の注射で悲鳴をあげ、一針縫うたびに「おい今何かやったな?」と若いお医者さんに毒づく始末。
(そりゃやってるだろう。縫ってるんだもの)
ポチンは、わたしの後ろから顔を歪ませながらニイニの縫合の様子をずうっと見ていました。責任感じていたんだろうな。


これが、事件現場。
b0128954_13542481.jpg

やっちまったねえ、ニイニ。
b0128954_13543689.jpg


その日は、麻酔が切れると激痛が戻ってきたらしくてヒイヒイ言っていましたが、翌日になると「痛みが減ったよ」とケロリ。
よかったよう、たいしたことなくて。
「ママ、こんな手だと、宿題もできないし日記もかけないね」と、ニタニタ笑うニイニ。
野球も水泳もドッヂボールもできないわよと言い返してやったら、「つまんねー!!」と身もだえていました。

でも、心配なさそうですよ。
自由のきく左手で、こーんなことまでしちゃったりして。
包帯が1日でどろどろ。
b0128954_1358243.jpg

さて、ニイニは片手で、何を抜いているでしょうか?
こたえは、次回ということで。
[PR]
by babamiori | 2008-10-19 13:58 | 週末の出来事
犯人、指名手配中。情報求ム。
夜遅くに三芳村の家に到着して、玄関をあける瞬間というのは、いつもドッキドキです。

電気はつくか?
水は出るか?
カビカビか?
虫はうようよか?
何か壊れてないか?
何か死んでないか?
空き巣に入られてないか?(入ってもとるモンないけど。)

入るや否や、ばちばちっとひととおり電気をつけて、状態をチェック。
トイレ、ガス、布団、冷蔵庫の中…
異状なければ、いや~よかった問題なし、とつぶやきながら荷物の整理をはじめます。

1週間放置した家というのは、やはりちょっと不気味で不穏な空気が流れています。人間の気配が全く消えている上に、この家に100年かけて染みついた何ともいえない匂いが立ち込めていて、一瞬、自分たちがまだヨソ者であるような気分になってしまうのです。

でも今回はとりあえず目につくところは大丈夫かなとホッとして、車から降ろした冬物の服を裏の納戸部屋にしまおうと、がらがらがらと戸をひきました。
さてと…。あ?

ど、どうしたんだこれは!!
b0128954_11113760.jpg

もう、めっちゃくちゃ。
b0128954_1111247.jpg

障子も引き戸も洋服掛けも全部倒れ、神棚も壊れ、床には洋服やら小物やらが散乱。
わたしは呆然と立ち尽してしまいました。
ああ、わたしたちのいない間に、この部屋で何があったんだ!?

…と思ったら、部屋を荒らした犯人が残していった置き土産を発見!
b0128954_1112466.jpg

時間がたっているらしくて綿状のカビが生えているものもアリ。かなり気色悪。
ちょっとちょっと、誰の仕業よぉ。

部屋の暗さに目が慣れてくると、床に無数についている模様が見えてきたぞ…
b0128954_11121871.jpg

これって、
b0128954_11122750.jpg

誰よ?
(どなたかこの糞と足跡の主がわかる方がいましたら、教えてくださーい)

しかも、そいつはどこから入ってきたんだろう??
窓は割れてない。床にも穴あいてない。

…あー。ここだ。
b0128954_1113111.jpg

天井やぶってるし。
「しっかし盛大にやってくれたよなあ」
「めっちゃくちゃの、ばっちっちだ…片付ける気も起きない。ぐえ~」
どうせこの片付けは、わたしの仕事だし。
b0128954_11132479.jpg

「屋根裏をバタバタバタバタ駆けずり回っているうちに、ここがズボッと抜けて落ちたんだな」
「で、びっくりしてそこらじゅうのものをなぎ倒しながら部屋で暴れた、と」
「で、出口がなくておろおろしているうちに、便意まで催した、と。うんこすんなよ~」
「でも匂いしないね。死骸もないし。また天井の穴からお帰りになったみたいよ」

あーあ、七福神まで蹴倒して、罰当たりな。
b0128954_1131298.jpg

どこから手をつけていいのやら、と思いながらも、現場検証をしながら床に散らばった七福神たちを拾い、部屋をうろうろしているうちに、何だかふつふつと笑いがこみあげてきました。
ここに入ってきたなにがしかの「やっべー出られねー!」とめちゃくちゃ焦ったであろう様子を想像すると、何だかおかしくなっちゃって。とんまな子がいたもんだ。

…それにしてもここって、空き巣が入るより動物が入る確率の方がはるかに大きい場所なんだなあ、と今更ながら気付きました。
この家を買った当初、空き巣を恐れてカギを全部つけかえたりしましたが、ここではあまり意味がなかったのかも。だって、周りにあるのは、家じゃなくて山だもん。
お隣の家まで遠いんだよねーなんて言ってましたが、隣にいるのは動物と虫だったよ。
だいたいここは、東京みたいに人間が大きい顔して住み、人間のルールの中だけで生きられる場所ではなさそうです。動物たちから見れば、自分たちの広大な領土のはじっこに小さな檻をつくって、そこでチマチマ住んでいるのが人間ってかんじでしょう。
「お、おい、おまえら、こっち入ってくんなよ!」ってびくびくしながらね。
ご多分にもれず、わたしたちも動物さんのご来場に腰を抜かしたというわけ。

翌日、この部屋を何とか現状復帰させたあと、いつもお世話になっている大工の村上さんに来ていただいて、屋根裏のどこに穴があいているかを見ていただきました。(立派な作品をつくるご多忙な建築家兼大工さんなのに、いつもこんな端仕事ばかりお願いしてしまって…恐縮です~)
とりあえず、屋根のどこから侵入したかを特定せねば、また同じことが起きてしまいます。

「ああ、ホントだ。天井がやぶれてるね」
ためらいもなく、その穴から天井裏にずぼずぼっと中に入っていく、村上さん。
b0128954_1117784.jpg

(これを見ていたこどもたちは「すごーい!村上さん吸い込まれていくー!」と大喝采でした)

しばらく天井裏を見回ってから戻ってきた村上さんは、にこにこ笑いながら言いました。
「屋根まわりに穴がいっぱいあいていますよ」
なに!?
「屋根裏から見ると、光が幾筋も入ってきているのが見えるんだよね」
穴って、どれくらいの?
「10センチ角くらいかなあ」
ってことは…
「たいていの動物なら、どこからでも出入り自由だね」

そ、そんなあ!
動物さん入りたい放題の家なわけ?
穴を特定するとか、そういう次元の話じゃないわけ?
「そうですね、何しろ、穴だらけですから」
村上さんは、とってもにこにこしながら重ねて言いました。

まったく、知らぬが仏とはこのことです。
今回はたまたま運の悪い子が天井をぶち抜いたからバレましたが、フツウに動物たちが屋根裏で集っている可能性大。あるいは、山のこっちからむこうに抜ける時に都合のいいバイパスになっていたりするやもしれぬ。もちろん、この家の前の持ち主の時からそうだったでしょうから、今更屋根裏の異変に気付いて焦っているわたしたちって、相当マヌケなのでしょう。

そしていつも、家を出る時に「窓よーし。玄関よーし。勝手口よーし」とカギの指差し確認をしているわたしたちって、いったい何だったのでしょう。

「ケケケケケ、バッカでー。あいつらカギなんかかけてやんのー」
「オレらは上から入るっつーの」

って山の隣人たちにコケにされてるのかね。
[PR]
by babamiori | 2008-10-15 11:55 | 週末の出来事
地震で斜面地が崩落したら、一瞬でなくなるであろう家。
週末は、日本でも大地震が起きましたね。
岩手・宮城内陸地震。
何とも言えず不安を掻きたてる「緊急地震速報」の警告音を聞きハッとした次の瞬間、東京でもぐらぐらっときました。

活断層の直上にあった山の斜面が崩落したり地盤が陥没している映像が映し出されていましたが、何と言うか…タニンゴトとは思えない気持で見ていました。

わたしたちの三芳村の家は、小さな山の山肌にくっついているような家で、今回のような地震があったら完全に土砂に飲み込まれて消失してしまいそうなものなんです。
b0128954_10501383.jpg

おかげで景色はとてもいいのですが。
b0128954_1124999.jpg

(ちなみに、うちの屋号は「ウエンダイ(上台)」。まさに、山の上のほうにあるからです。
この集落の家にはみんな屋号があり、むかーしむかしから苗字ではなく「ゲンザエム(源左衛門)」とか「オオエンキョ(大隠居)」といった屋号で呼び合っているとのこと。かっこいい!)

例えわたしたちが三芳村にいないときに災害が起こったとしても、ご近所の方々は大丈夫だったかな、隣の牛舎はどうなったかな、なんて気が気じゃないはず。地震による孤立集落の映像などをテレビで見るにつけ、我が事のように心が痛みます。
もちろん、東京に大地震が起こる不安だって相当なものですが、もし三芳村に家を持たなければリアルに想像できなかったことって、結構あるんです。(まあ、わたしが愚かで通常の想像力が欠如しているせいかもしれないけど。)

地震だけじゃない。
田舎で暮らす人々の、ひっそりとした生活を脅かすものって、たくさんあります。過疎化や少子高齢化によって、それこそ農耕したり草刈りしたりする人がいなくなってしまい、今のように里山を維持することができなくなる未来がくることは容易に想像できる。そうしたら、うちの集落はどうなってしまうんだろう。後継ぎのいないおじいさんやおばあさんたちは、足腰たたなくなったらどうやって生活するんだろうか、村はなくなってしまうんだろうか、この風景はたちまち荒れ果てて変わり果ててしまうんだろうかって。

それから今、バターの品薄によって注目されている酪農家の方々の苦労も、実際に隣が酪農家だったりするとすごく身近に感じます。
b0128954_10515667.jpg

先日も、部落の伝達事項でうちにいらした酪農家のYさんが、「いやあ、飼料は高いし減産調整はあるしで、いろいろきびしいですよ~」とぼやいておられました。
「うちだけじゃない、このへんは花卉の栽培をしている方も多いでしょう、原油高で大変ですよ。ビニルハウスの暖房代考えたら、商売あがったりだよね」
こういう話、ニュースとしては知っています。バターがない、ガソリンがたかっ!とかね。
でも、実際にご近所に酪農家や花卉栽培農家の方がいると、ばーんとその方たちの顔が思い出されて、それこそ身内の心配事みたいに親身に考えざるを得ないマインドになってしまいます。

(そういえばこの前の母の日に、南房総は丸山町でカーネーションの生産をしている鈴木浩仁さんから、とっても素敵なカーネーションをいただきました。
1輪1輪、ハート型をしているんです!
彼は「レリシア・カーネーション」というバラのように大きく開くカーネーションを作ることができる世界唯一のお方で、業界ではかなり有名らしい。でも実際にはまっっっったく飾り気のない優しくて素朴な人物。作る花はとってもアーティスティックなので、その落差に惚れってかんじ)
b0128954_10522513.jpg

「それはそうと、牛乳を固めたものって食べた事ある?」
Yさんはそう言うと、軽トラの助手席をごそごそ。
「え?チーズのことですか?ヨーグルト?」
「ちがうちがう、乳脂肪分を固めたものなんですよ。よければどうぞ」
b0128954_10581011.jpg

この丸い円盤状の物体は、持つとずっしり重くてびっくり。
味は乳酸発酵していないモッツェレラチーズみたいなかんじ、あるいはクリーミーなおからってかんじです。Yさんは甘辛く煮て食べるそうな。わたしは、うすーく切ってオリーブオイル&ガーリックでかりっと焼いて、塩ふって食べました。お酒のおつまみにぴったり!
すっごくおいしかったけど…一体なんていう名前のものだろう?売っているのは見たことない。

何はともあれ、三芳村に家を持つことで楽しみや喜びも倍増しましたが、今まで自分たちから遠かったさまざまな状況に対して無関心でいられないことが増えたのも事実。
一度、しっかり気づいてしまったり、感じてしまったことは、もう無視できないから、おのずと自分の生き方も変わってしまいますね。うむ。
[PR]
by babamiori | 2008-06-16 11:07 | 南房総のこと
売主さん、わたしたちまだ使ってますよ、あれもこれも。
ちょっとだけ、自分のことを話しますと。

わたしは花の20代に、ほぼずっと建築設計三昧の日々を送っていました。長い大学生活を終えて就職したのは某設計事務所。フツウに朝10時から夜25時まで働き、休日も建築の展覧会をハシゴするような生活でした。その頃一緒にがんばってきた同世代の友人たちはみな(わたしと違って)その後もがんばりつづけ、すっかり立派な建築家になっていたりして、雑誌の執筆のお仕事を手掛ける今のわたしにとっては取材相手だったりすることもしばしば。

そんなですから、うちが南房総にセカンドハウスを持ったという話をすると、みんな異口同音に「へ~、どんな家たてたの?!」と聞きます。
「たててないよ、古い家付き物件だったから」とだけ伝えると「古民家?いいなあ。じゃあリフォームしてるの?」なんて興味津々。「いやいや…ただの古い農家だよ。リフォームはね…ひと部屋だけ畳を替えて、トイレに合併浄化槽をつけたことくらい、かな~。そんなにお金ないしねーハハハ」としか言うことがありません。
(ちなみにこれが合併浄化槽。丸いフタの下に巨大な円筒が3つ埋まっていて、せっせと分解してくれているんです、もろもろのブツを)
b0128954_11371933.jpg

お金がないのはホントですが、そもそも、リフォームする気があんまりないんです。
実は、わたしはすんごい無精者…
設計を生業にしていたなんて、恥ずかしくて言えません。
だって、この家を譲り受けたとき「あちこち手を加えて、わたしたちらしい家にしよう!」と創作意欲に燃えるどころか、「ラッキー!そのまま使える♪」とほくそえんでしまったんですもの。
で、案の定「いいよいいよ、壊れてないし。上等上等」「これももっとダメになったら換えればいいや」「うーん、拭けばまあ使えるか」と、前の方が使っていたモノや空間をほぼそのまま使用している状態。

そもそも、この物件を見つけたときの最大の付加価値は『明日からでも使える家がついている』ということ。売主さんが、家財道具をほぼ置いていってくれたため、テレビも洗濯機も冷蔵庫もコタツも布団も鍋釜も食器も草刈機も熊手も台車も物干し竿もサンダルもぜーんぶ最初からあったんです。
まちがいなくラッキーでしょ?


…では。
なんの前触れもなく恐縮ですが。
売主さんから譲り受けた数多のモノの中で
 「特に気に入っているもの ベスト3」
を発表したいと思います。

第3位!じゃじゃじゃん!
b0128954_11384647.jpg

「寿山福海」の額縁。
これが、西側の部屋の真ん中にどーんと飾ってある我が家。
‘寿は山のごとく、福は海のように’という意味らしいです。
なんとも、お目出度いコトバじゃないですか!
いつからこの額が飾られているのか知りませんが、ここに住んでいたご先祖サマ(もちろん、売主さんのね)がこれを見ながら天寿を全うした(かどうかも知らんが)と思うと、おいそれと外せないんです、この額。

(ちなみに、この土地の地目には「宅地」「田」などとともに「墳墓」というものもありました。
フンボ!
かつては、ご先祖サマのお墓を自分の敷地の中につくっていたというわけ。
「あの~、そのへんを掘り起こしたら、お骨がぞろぞろ出てきたりとか…」と、契約前に恐る恐る売主さんに聞いたことがありますが、「や、ないですよ!もうお墓はうつしました」とのことで、ホッとした覚えがあります。)

では、第2位!
b0128954_11391929.jpg

籐のリクライニングチェア。
これはまことに心地のよいイスです。
眺めのいい窓際に置いて、草刈りの合間にふ~っと一服。そんな時夫は必ず、
「いや~、大変だけど、この土地にしてよかったなあ」
と、言います。
ホントに必ず言います。
b0128954_1140063.jpg

東京で平日あくせく働いて、週末この家にころがりこんで、それでもやることに追われてバタバタして、やっと一息つくこの瞬間。
疲れがどどぉーっと音をたてて抜けるんです。

そして、堂々の第1位は?
b0128954_11404273.jpg

もちろん、草刈マサオクン。
こいつがいなければ、うちは荒野です。
この草刈機に油をたっぷりそそぎ、革手袋をして(フツウの軍手だとマメがすぐできる)、目深に麦藁帽子をかぶり、手ぬぐいを首に巻き…
ひたすら、ひたすら、草を刈る。
b0128954_11441065.jpg

大変です、冗談じゃなくて。
夏なんかは、朝から海に行き、午後には引き上げてこどもたちに昼寝をさせている間に、夫婦でがんばる。
疲れた体に鞭打って、がんばるのです。
そして、ママはついに、ダウン。
b0128954_1144329.jpg

なーんて言うと、辛いばっかりみたいだけど、やっているときは結構楽しいもの。がんがん刈っていく快感があるからこそ、がんばっちゃえるのです。
草刈りがまだヘタクソなわたしたちは、刃をすぐにぼろぼろにしてしまうのですが、いつもN田さんにメンテナンスをしていただき、使い続けています。
早く上達して、キレイに素早く刈れるようになりたいなあ!

…ところで、番外編。
ずーっとこの家にいる(と思われる)大切な存在がもうひとつ。
b0128954_11445112.jpg

クモです。
体長10センチくらいかな。ガラスの後ろにいらっしゃいます。
この巨大なクモさんは、うちの中にいる虫たちをいっぱい食べてくれるありがたいお方。最初は気持ち悪くて「やだ~!」と逃げていたのですが、最近では「よっ、また逢えたねっ!」とあいさつする間柄にまで発展。
「このお方を無碍にしちゃあいけないよ。クモは家の守り神なんだよ」と子らを諭しています。

そんなわけで、わたしたち、まだまだこの家を建て替える気は毛頭ありません。

ほれ、いわゆるおじいちゃんおばあちゃんの家って、煮物の味みたいに確立した雰囲気があるでしょう?そういうものに対して、何か自分らしいデザインを施したいという意欲は、どうも湧かないんですよね。コテコテに保守的だとは思うんだけどね。
こどもたちにとっても、わたしたちにとっても、突然できた「ふるさと」みたいなこの家。生まれたときからコタツさえ使ったことのないわたしですが、今では「冬はコタツに限るぜ!」と心の底から思えてしまうんです。
先人の残していってくれたモノを利用して、じゃなくて大切に引き継いで、おおらかに住んでいきたいと思います。
(でも結局、お金ないし、無精だし、っていう理由が大半だったりして)
[PR]
by babamiori | 2008-06-03 12:07 | 建築について



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

by babamiori
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
リンク
フォロー中のブログ
古今東西風俗散歩(町並み...
妄想ファミリー、房総に住む!
amane
土橋陽子の design...
カテゴリ
全体
田舎暮らしのこと
週末の出来事
南房総のこと
食べ物のこと
東京にて
生き物について
ニイニ
建築について
お知らせ
産後について


未分類
タグ
以前の記事
2017年 01月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
検索
最新のトラックバック
地元で獲れた地魚寿司です..
from 出張先
山越うどんのかまたま山が..
from 口コミ情報ライフ
草を刈る人、、国土交通省..
from 背面飛行がとまらない
スイマーバ
from スイマーバ
亜麻仁油 効果/効能
from 亜麻仁油 効果/効能
レンジで簡単!!たまごっ..
from 誰でも楽しく!おいしく!料理..
カビ防止・カビ対策で防カ..
from カビ防止・カビ対策で防カビ快..
貸し別荘コテージレンタル..
from 貸し別荘コテージレンタル情報..
家電製品家具レンタルリー..
from 家電製品家具レンタルリース情..
手作りジンジャーエール
from From a smallto..
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧