タグ:百姓屋敷じろえむ ( 1 ) タグの人気記事
「百姓屋敷じろえむ」で、命を喰らう。
今まで生きてきた中で、「これだけは誰かの助けを借りなくても一応じぶんでできる」と言えるノウハウを蓄積したものって、なんだろう?と考えました。

そしたら、「家事(デキは問わない)」「子育て(かなりテキトー)」「文字数内に原稿をまとめる(ジャンルがかたよってる)」「週末田舎暮らし(だれでもできるっけ?)」くらいしか思い浮かばない。あとは「キジを飼う」「サンショウウオを飼う」などこまごまとあるけど、なーんかいよいよ、しょうもないなあ。

あー無力だ・・・

日々それなりにがんばって生きているつもりではありますが、だいたい丁寧じゃないというか、深め方が甘い。これって性格の問題かね。「おおむねオッケー」という地点でドカンとあぐらをかいて、いや~よくやったと満足してしまったり、なんかあっても「生きてりゃいいか」と開き直ったり、それでも足りないと「どうせ死ぬまでの人生よ」とさらに開き直ったり。
「こだわり」も極端に少なく、こだわらないということにこだわっているところさえある。

その姿勢が裏目に出ることの多さったら!
結局デキる人間というのは最後まで詰められるのであり、細やかに配慮できるのであり、飽くなき追求心を持っているのだということです。その逆の性質を持っているということは・・・
言わずもがなよ。



ところで先日、仕事仲間と一緒に、所用で南房総を訪れました。
平日だったので珍しいことに子連れではなく、それならばオトナな食事をしたい!!と、まず腹ごなしに向かったのは、三芳村でもっとも由緒正しきレストランのひとつ「百姓屋敷じろえむ」でした。

前回行ったのはずいぶん前。三芳の土地をいよいよ買うことになり、行政書士さんとの打合せの後に現地を見に行き、その後じろえむで昼食をとったのでした。懐かしい。
あの時は、もちろんまだ南房総のいろはも分かっておらず、もちろん売り主さんがキレイに手入れしてくれてピカピカな状態の土地を見ても、なーんとも思わなかった。「やっぱり景色が素晴らしいわね」なんて抽象的なウットリ感だけ。そりゃあんためちゃめちゃマメに草刈ってるからだよ!!と当時の自分にツッコミたい。

でもとにかく、早くこの美しい里山に住みたいと、ワクワクしていたことだけは覚えています。
今となってはずいぶん土地勘も出てきて、同伴の女子2人にもできるだけ南房総の良さを伝えたいなあなんてすっかりコッチサイドの人の気持ちになってるもんなあ・・・

県道から外れ、細かい田舎道をずんずんのぼっていったところに、「じろえむ」はあります。
たしか、入り口は真っ黒な茅葺き屋根だったはずだけど。

って、え!?

b0128954_11252133.jpg


すんごいフレッシュ!
葺きたての茅、黄金色に光っています。
「去年葺き替えたらしいですよ」と、現地で落ち合った幸せいっぱいのほんまる妻さんに伺いました。(なんで幸せいっぱいかって?それはご本人に直接聞いて下さいな^^)
蘇鉄の街路樹に誘われてずんずん近づいていくと、本当に美しい屋根がどーんと目の前に。

b0128954_11254188.jpg


この厚み・・・たまらないっす。
昔のクラスメイトにとても太い三つ編みの女の子がいて、その子がおかっぱにした時こんな厚みだったなあ。どちらかというと毛量のないわたしは、切断面の豊かさにぼーっと見とれた覚えがある。

実はうちのセカンドハウスも、今でこそ赤いトタン屋根だけど以前は茅葺きだったそうです。
茅葺きはメンテナンスにお金がかかるし、今では職人もいないので維持がとても大変。ある見積によると、屋根坪数×7万円くらいらしい。あっという間に軽く数百万円です。おそろしや。。
きっと「じろえむ」さんも、この屋根を店のアイデンティティとして守るために踏ん張っているに違いない。

こっくりと味わいのある囲炉裏部屋に案内され、出された料理は、これ。

b0128954_1126560.jpg


写真で見るとどうも、旅館の朝食とどこがちが、、、と言いそうになる。
が!!
これらは、ひとつひとつが材料からすべて手作りなんです。

・・・今、「手作り」という言葉、読み流したでしょ。
ちょっとよく考えてみていただきたいのです。「すべて手作り」ってどんなことか。


例えば奧のソーセージは、じろえむが飼っている鶏をつぶして作ったもの。
ソーセージって、袋開けて食べるものです、少なくともわたしは。それを、鶏を育てるところから作るってどんだけ大変??このソーセージ、どんだけ手間かかってる?体裁がソーセージだから何となく口に運んでしまいそうになりますが、「うちのぴーちゃん(仮)」から作ったものだとすれば、畏れ多すぎて無意識では食べられません。

こんにゃくも、こんにゃく芋を育てて、そこからアク抜きなど経て作っています。
「食べた感じが、売っているものとだいぶ違うかと思います」とご主人に言われ、ひとくち噛んだら、「うぉっ」と思わずみんな目が丸くなる。噛んだ時のしなやかさ、こんにゃく芋の舌触りと風味が、市販品とはまるでベツモノです。

手前のおからみたいなものは、牛が赤ちゃんを生んだ後の初乳でつくった豆腐。
「初乳豆腐」はわたしも隣りの酪農家のYさんからいただき、何度か食べたことがありますが、モッツァレラチーズの風味をすっかり牛乳だけにしたようなかんじです。それをそぼろのようにして、シソの実と和えた品。初乳は、赤ちゃんを産んでから3日くらいしかとれないそうです。栄養価が高いことに加え、免疫力向上や風邪やインフルエンザ予防、ロタウイルスなどの感染症予防、腸の修復作用、筋力や体力の増強作用まであるそうな。赤ちゃんを守るための養分がたっぷり含まれているんだな。
あまりに美味しいので商品にならないのかな、と思いますが、なかなか流通させにくいみたい。

また、最後に出されたコレがすごくおいしい。

b0128954_11262672.jpg


フツウの卵焼きです。
もちろん卵は自家製。
何が美味しいって、ほーんのり甘くて、ふあっふあっとぅるん!という口溶け。
絶妙の焼き加減で、「ママ~」と言いたくなるような優しい味なのです。
これ、前回食べた時のことも強烈に記憶に残っていて、「また食べたい」とずっと思っていたもんだから、ことさら美味しく感じました。

加えて、薪をくべて竈で炊いたつやつやの有機米もウマし!昼から大盛り2膳食べてしまった。
このお米炊くために薪割りもせにゃならん。1日何時間あれば足りるんだろう??

あー、おいしかった。満足満足。
もうこれで帰ってもいいや。
いやいやまだ半日あるでしょ、とすっかり満たされた女子4人でした。

一緒に食べたのが女子4人だったからこそ、こういう食事のすごさがよーく分かったのかもしれません。だって見た目はホントに地味なくらい、フツウの家庭料理だもの。
用意しようと思えば、わたしだって品数揃えられるよ、みたいな。
でもきっと、パックから出した卵とパックから出したこんにゃくとパックから出したお漬け物を並べるね。毎日家族にそんなに手の込んだもの出してられないもん。

でも、ハッとします。

毎日食べてるから、毎日生きてるんだよなあ。
食べるって、ホントはすごい手間のかかることで、つまり生きるって、ホントはすごい手間がかかることなんだよなあって。

売っているものをうまーく利用して、ぱぱっとつくる時短が勝負で、おいしくてボリュームあるものを出すのがデキる主婦という定説。
当たり前と思ってたけど、ひょっとして、なーんか狂ってる?

「あまった時間は自分の時間」って、上手に生きられてステキ、と信じて疑わない価値観、なーんか狂ってる?

「売っている野菜があるのに、わざわざ畑なんて趣味でやる意味がわからん。自己満足でしょ」というスタンスだったわたしが、ぼちぼち畑なんかをやり始め、「自己満足だけど・・・おいしいぞ」なんてずるずるとその楽しさに引きずりこまれ、ちょっぴりは食べ物づくりの大変さが分かってきたところで「じろえむ」の食事をいただき、何だかぐっと心を掴まれてしまった。

こだわらない、こだわれない、という生き方をしてきたわたしが、これはこだわるべきじゃないか?と思ってしまったコト。
それは、命を食べているということに自覚的になれる食事を、つくるべきだというコト。
そして、食べることがどんどんオートマティックになっているこの世の中で、「命を喰らう」ことのスゴさをこどもたちにも伝えていくべきだなあ、というコト。


帰りに、産みたての卵を1人1こずつ、いただきました。
どうやって食べようかな・・・と楽しみに家に持ち帰ると、「これ有精卵?欲しい!」と出てきたニイニが、口の中にぱかんと割って、ゴクンと飲んでしまった。
あんたはヘビか。
[PR]
by babamiori | 2011-01-28 11:35 | 食べ物のこと



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

by babamiori
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
リンク
フォロー中のブログ
古今東西風俗散歩(町並み...
妄想ファミリー、房総に住む!
amane
土橋陽子の design...
カテゴリ
全体
田舎暮らしのこと
週末の出来事
南房総のこと
食べ物のこと
東京にて
生き物について
ニイニ
建築について
お知らせ
産後について


未分類
タグ
以前の記事
2017年 01月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
検索
最新のトラックバック
地元で獲れた地魚寿司です..
from 出張先
山越うどんのかまたま山が..
from 口コミ情報ライフ
草を刈る人、、国土交通省..
from 背面飛行がとまらない
スイマーバ
from スイマーバ
亜麻仁油 効果/効能
from 亜麻仁油 効果/効能
レンジで簡単!!たまごっ..
from 誰でも楽しく!おいしく!料理..
カビ防止・カビ対策で防カ..
from カビ防止・カビ対策で防カビ快..
貸し別荘コテージレンタル..
from 貸し別荘コテージレンタル情報..
家電製品家具レンタルリー..
from 家電製品家具レンタルリース情..
手作りジンジャーエール
from From a smallto..
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧