好対照をなす家、2軒。前編。
家を建てる。

一世一代の大事業ですよね。労力的にも金銭的にも。
わたしは仕事柄いろんな住宅を見てきていますが(過去にはつくってもきていますが)、まだ自分の住む家を建てたことはありません。

三芳村のセカンドハウスはご承知のとおり「古家あり」の物件だったため、その古家にずうずうしくも転がり込んで住み着いてしまっている状態。すっごい気楽。農家って別に、住むヒトのセンスとかが色濃く反映されているもんじゃなくて、「あー隣りの牛飼いのだれべえさんの家も同じだー」という間取りであり、昔からの典型的な農家の住まい方がそこにはあるので、その枠にすぽっとハマってしまえばいい。
これがけっこうハマり心地がよくて、別に手を加えたくなるようなところはありません。なんか問題があったりしても(寒いだの暑いだのカビだの音だの)「昔この家にいたヒトたちも、まわりのヒトたちも、きっとみんなこういう中で過ごしていたんだなあ・・・」と歴史に身を添わせるような安らかさがあって、ストレスがないんです。

でも、いずれこの家が朽ち果ててしまったり、あるいは土砂で潰れてしまったり(最近の豪雨はすごいからね)、あるいは他の何か必然性が出てきた時は、新築せざるをえない。
自分で設計するんですよね。って?
よく言われますが、しないよー多分。
理由はいろいろありますが、それはまたいずれ。


話はかわって、今回は、南房総に最近建てられた住宅のうち、実際に内覧してみた2つの家をご紹介しようかと思います。

今回はひとつめ。雑誌の表紙なども飾った、けっこう有名な住宅です。

「海がよく見えて、気持ちがよくて、ワクワクするような家にしたいなあ」
と思うヒトはたくさんいると思いますが、それがそのまんま実現されたらどうなるか?!
こちら、ひとつの解を示しています。
海辺に建つセカンドハウス。
b0128954_23194059.jpg

わお!まるで南の島のヴィラみたい!
海に向いた側がぜんぶ窓。大きな木製サッシュがリゾート感を煽る煽る。
家というか、洞穴というかんじです。外から見ているだけで「ああここに入りたいなあ!」という衝動に駆られるのはきっとそのせいでしょう。
目の前に海が広がっていて、洞穴の中からその雄大な風景を眺めるなんて、ちょっと考えても最高のシチュエーションのひとつではないでしょうか。

なにより、掘り出した土器のようなテクスチャが目に心地いい。
絢爛豪華とは対極にあるデザインですが、立地といい広い敷地に対するぽつりとした立ち姿といい微妙な素材感といい、「ぜいたく~ぅ」という印象が強いです。
いいなあ、こんな海近の物件、わたしには手が届かないわ。
ほんと、ステキなおうちでした。

で、終わらないのがすごいところ。
・・・あれ?
b0128954_2320973.jpg

屋根の上になんだか、もやもやしたものが見えますね。
しかも・・・
b0128954_23202284.jpg

上にヒトがいる!
こりゃあ上ってみるしかないでしょう。
(注:これは雑誌の取材に同伴した時のことですので、もちろんオーナーの許可は得て上っております。この家を見かけたからって突然上ったりしないでね。)
家の脇にくっついているはしごをのぼると・・・
b0128954_23203679.jpg

うわあ~
屋根の上が、コスモス畑だ~(ちなみにこれ、11月の写真です。)
いちめんのコスモス いちめんのコスモス いちめんのコスモス 
ス~テ~キ~・・・
海風にそよぐコスモスに囲まれて海を見るなんて、わたしの脳みそでは想定し得ないシチュエーション。なによこれ!夢の中?なんて陳腐な驚き方しかできません。
はっきり言って、わたしたちの三芳の家と交換してくれるというなら、喜んで交換します。
ここなら草刈りだって、ぜんぜん楽そうだし。

って、わたしってばこの美しきコスモス畑見てすぐに「半年後にはここにも雑草が生えだすよなあ、そしたらセイタカアワダチソウ畑とかに変わるよなあ、そしたら刈払い機を屋根の上にのっけて刈ることになるよなあ。どうすんだろ」と想像してしまった・・・
でもホントにどうするんだろ。植生なんてすぐ変わっちゃうし、ほどなく望んでいないつよーい雑草がめらめら生えてくると思うんだけど。

ま、何を言っても負け惜しみにしか聞こえないのは承知の助。
せいぜいオーナーの方とお友達になって、夏にお邪魔させてもらいたいなという矮小な夢を持つのが関の山であります。(なんなら屋根の上の草刈りお手伝いしてもいいです。)


この家は、土とセメントを混ぜてつくった「地層の家」という作品です。設計者は、若手建築家の中村拓志氏。数年前に銀座のランバンなどを設計して一躍有名になった若手の☆です。五感に忠実であり、なおかつキャッチーな空間作りがうまいお方。
この家も、「そうそう、この洞穴感、このスコッと抜けた空気感、草のヒヨヒヨ感、なんかイイカンジの要素がぜんぶ盛り合わせになったかんじだな~。おまけに屋根にのぼれちゃうしコスモス畑が広がってるし意外性もたっぷりでもう、おなかいっぱーい!」と見どころ満載です。

しかも、この建築があることによって海岸のバリューもあがってしまうようなブランド感がある。
今んところこの家のまわりだけにリゾートの空気が漂っていて、周辺はけっこうまったり鄙びているんですが、南房総の海辺にこういう建築がぼこぼこ建ちはじめたら、相当雰囲気変わるだろうなあ・・・
(今の鄙びた感じが、わたしはけっこう好きだけどね。)


というわけでまずは、建築作品としては「派手」と言える、メディア映えする家をご紹介してみました。紹介といっても、あくまで個人的な感想ですのであしからず。
次回は、その真逆をいく作品をとりあげてみますので、乞うご期待!
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by babamiori | 2009-01-29 23:21 | 建築について
<< 好対照をなす家、2軒。後編。 みーーーーっけ! >>



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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