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春が来た:にょろにょろ編。
「パパが、4は縁起が悪いから、もう1匹いいって」

息を切らせて帰ってきたニイニは、18枚の障子のうちの7枚目をしこしこ張っているわたしにむかって突然こう叫びました。なんのこっちゃ。
「もう1匹ってなによ?」
と顔を上げている間に、瞬時に察するわたし。
「まさかニイニ・・・また飼うっていうんじゃないでしょうね?あの水槽はもう、いっぱいよ」
「ううん。パパが大丈夫だって!!ママがOKって言ったら、飼っていいって!!」

なによ。パパってばいい顔しちゃってさ。
いつもはニイニに「おまえ何でも飼いすぎなんだよ。いくつか放流して水槽たたんだ方がいいんじゃないか?水槽9本っていうのはいくらなんでも多すぎるぞ」と諭したりしているくせに、いざ現場でカワイイやつを捕まえちゃったりすると「パパはいいと思うけどなあ・・・ママに聞いてごらん」なーんて言ってニイニ側に立つんだよなあ。悪役をわたしに押しつけて。
だいたいここでわたしが「だーめっ」と言ったところで、どうせ夫はあとでニヤニヤやってきて「1匹くらいいいんじゃねえか?」なんて言うに違いない。


空っぽの予備プラスチックケースを抱え、「もう1匹」のところに走って戻っていったニイニは、15分後に「もう1匹」を入れて戻ってきました。
「ドブの升をのぞいたら、水の中にうっすら影が見えたんだ」
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「このアカハライモリ、お腹の模様がカッコイイんだよ。赤いところが多くて。だからさあ飼っていいでしょ?」
ジーザス。これで君は東京までお持ち帰りされる身だね。
まあ、ニイニは飼うとなったら手を抜かずにきっちり世話をする方だから、君もニイニの部屋で共に寝起きして長生きするだろうよ。


突発性発疹で39度の高熱を出している(わりに食欲も落ちずに元気だった)マメが家にいたため、わたしは家で障子張りの続きをするのが関の山でしたが、夫とニイニは「水辺のタマゴ探検隊」となって家のまわりをうろうろほっつき歩いてきたようです。
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まずは、前回確認したトウキョウサンショウウオの卵の在処を確認したそうな。
「この間は一面サンショウウオの卵嚢だらけだったのに、今日は4つしかなかった」とのこと。
生き残りを、愛おしそうにそっと持ち上げるニイニ。
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倍率ドン。さらに倍。
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おっ、中身が育ってる!
前回はぐりんとした黒い玉だったのに、今回は幼体っぽくなっています。
あと1ヶ月くらいしたら、他の生物のエサになるために生まれてきたようなひ弱な幼体が飛び出してくることでしょう。

次に覗いたのは、先日コメントいただいて「ヤマアカガエルの卵」と同定された卵嚢のある田んぼだそうな。
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そしたら、バラバラになった音符が水中にばらまかれていた!
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倍率ドン。さらに倍。
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ぐじょぐじょぐじょと折り重なった無数のオタマが。
東京の家の近くの公園ではちょっと前にラブラブ中のカエルがいたくらいで、卵さえ確認できないくらいなのに。カエルの卵を見ると入学式の頃の空気を思い浮かべるので、季節感がちょっと狂います。
この音符たちもほどなくケロケーロになり、我が家の畑にやってくるんだ~。楽しみだ!


ニイニの行脚は、まだまだ続きます。
うちの離れの畑の脇にある用水路の升。1年前にサンショウウオの卵をとったところです。
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このニイニの一心不乱な後ろ姿、微妙にオヤジ臭くてマニアックで、このまんま健やかに成長したら1週間に1度しかお風呂に入らないでも平気で服はくたくたのヨレヨレを夏冬それぞれ3着しか持ってなくて顕微鏡と捕獲網がお友達の人間になるんだろうなあという感じ。理解のあるお嫁さんを見つけないと、孫の顔が見られないぞ・・・

というのが親の育て方のせいかどうかはいいとして。
卵嚢は去年と同じところに、あったんだって!
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うーん。感慨深い・・・
当時はこんなものとってきちゃったけどホントに育つのかしらと疑心暗鬼だったのですが、水槽の中で卵が孵り、手足が生えてきて、外エラが消え、12匹が無事にひょこひょこと上陸するまで手塩にかけて育てあげたわたし(←サンショウウオ飼育係)としてはこれを見ると、自分のお腹の中の赤ちゃんに馳せる想像力みたいなものが起動して「お~よしよし」と目を細めたくなります。(まあ、去年の今頃といえばわたしのお腹の中にもサンショウウオやカエルみたいな顔した赤ん坊がいたからね。)
今年見つけた卵は、あった場所にそっと返しておいたそうです。どうかどうか、誰も食べませんように・・・(卵嚢のブヨブヨって、苦くてマズいらしい。食べられないための術はそれだけなんだって。よわ。)

春はそこらじゅう新しい命だらけ。見えている風景の奥の方や自分の足の下に無数の命が生まれているのだと思うと、何だか内蔵がゾクゾクしてきてウキャー!と叫びたくなります。


ところで、我が家で今飼っているサンショウウオのうち、食が細くて心配していた1匹が、先日とうとう☆になってしまいました・・・。合掌。
水から上がったところで休憩している形のまま、しんなりと白っぽくなっていました。一生懸命アカムシをやってたのに、やっぱり本人に食べる気がないと、なかなか育たないんだよねえ。
夫曰く、「エサを変えてみればよかったかもな」。痩せてるな、育たないなと思っていた時点で、ホソワラジムシやシロワラジムシをもう一度与えてみるべきだったかも。
今その子は、うちの冷凍庫で眠っています。(恐ろしいことに、うちの冷凍庫は一部、☆になった水槽の住人たちの霊安室となっているんです。「シマドジョウの死体の隣りに置いてあるアイスを食べるっていうのも、なんだかなあ」と夫はいつも不満を言う。まあ確かに。この間ふっと見たら、かちかちの冷凍トウヨシノボリがぽろっと落ちてたしなあ。)
こんどセカンドハウスに行った時、この子が生まれた場所の近くに埋めてこようと思います。
by babamiori | 2009-02-26 18:17 | 週末の出来事
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ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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