交通事故にだけには遭わせたくない!
と、くろぴょんは家ネコとして育てておりましたが、ふと「車がいなけりゃ轢かれないじゃん」と気付き、三芳村では日中外ネコにしてみました。
「ほら、お行き!」とドアを開けると、大興奮で飛び出した2匹。
屋根に上ったり。
溝にもぐったり。
果敢に木にものぼるが、
純正の家ネコだった経歴は隠せない…
くろより運動神経のあるぴょんは、高い槙の木を軽やかにのぼりつめるが、
おりられない…
せっかくなら遠くの野山をかけめぐってくればいいのに。
いないなーと思っても、数分で戻ってきてヒトのまわりでうろうろうろうろ。
でも、やっぱり、外にいるネコは美しいです。
外で見ると、ノラの厳しさをたたえた表情になる。
野生のしなやかさを体に取り戻した姿に、ハッとします。
いつも家の中ででれでれと一緒にすごしているあの子たちは、実は人間とはまったく別のネコという生物だったという衝撃。
わたしは木や屋根に飛び乗ったりできないけど、あの子たちは普通に一足飛びに上の方の世界に行ってしまうんだからな。
こうやって外に出していたら、いつか戻ってこなくなったりはしないだろうか?不器用な子たちゆえ山から滑落したりしないだろうか?と過保護な親心も働くのですが、あまりに生き生きと駆け回る彼らに「本来ネコは、斯くあるべき」とも思ってしまうほど。
そして、人間には見ることのできない風景を堪能している彼らの風情を見るだけで、わたしの心も空に解き放たれるのです。
思えば昔飼っていたシャム(クラスの子の家で生まれた子をもらって、ダッフルコートの中に隠して電車に乗って持って帰った)は外に出すと、恐怖で震えて歩けなくなっていました。それに比べて、この子たちの適応力ったら。
やっぱり、育ちがいくら家ネコでも、生まれがノラの子はノラなのかしら?
と、ふと見ると、言うほど野性味溢れていない…
優雅な横座り。
ここは四方に外敵が潜んでいる屋外だぞ?そんな、ビーチの有閑マダムでいいのか?
なまっちろい腹見せて。
さんざん遊んで疲れて帰った夜。
「家は家でいいもんだ」とのことです。おそらく。
ノラとして自立する気は今のところないようです。