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ヒィ~~、100万もするんですかぁ~~?
前回のつづきです。

そうそう、呑気にお米といでたんですよ、わたし。
釣り場から引き揚げるという夫とニイニに「おどや(スーパー)であれやこれや買ってきて」と頼んでおいたので、とりあえず他にできることは、お米をとぐことくらいしかない。(冷蔵庫は、食材を現地調達するまでほぼ空っぽなので。)
あとはお昼に食べ損ねたキュウリがあったな、お味噌つけて食べるか、とキュウリを出して洗おうとしました。

そしたら、なんの前触れもなく突然、「しゅううぅ…。」と、水が出なくなったんです。
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あれれ?どうしたかな?
水道のレバーをカタカタと上下してみたのですが、うんともすんとも言わない。
洗面所に走っていって蛇口をひねってみても、しゃーと出るはずのものが、出ない。
お風呂も然り。

参ったな…

わたしは、台所のシンクの前で、ぼーっと立ち尽くしました。
はて、どうすればいいんだ?
何が原因なのだ?
あとたっぷり1時間は、夫とニイニは不在のままです。
隣の部屋ではポチンが、こども番組を見ながらぐーぐー寝てしまっています。
マメも、その横でバンザイして寝ています。
この事態に向き合っているのは、目下、わたしだけか。
(っていうかポチンとマメはどうせ何の足しにもならないけどね。)

ええとええとー。
水が出ないと、どういうことになるんだっけ?
だいたい普段、水が出なくなるという生活をしたことがないので、そんな想像力さえしっかり働きません。
まずは、このキュウリが洗えないでしょ。
ああ、釣ってきた魚も処理できないや。
それどころかトイレだって行けないじゃないか。
お風呂だって使えない。
…ってことは、ここで生活できないわけだ!

でもどうしてこんなことになっちゃったんでしょう?
普通、原因として考えられるのは、漏水。
あるいは、水を家まで引き上げるためのポンプの、モーターの故障。
そう、我が家は「ウエンダイ」というだけあって高いところに建っているので、水道水をいったん受水槽に貯め、その水をポンプで加圧して家まで送っているのです。水道をひねると、家の外にあるモーターが
「ウィーン」と音をたてて駆動し、水が出るわけです。
これが、そのモーター。
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「そういえばさっき、水使っていないのにずうっとモーターが動いていたな…やっぱり変なことになっていたのか」
モーターの故障だとすれば、誰に見てもらえばいいんだろう?
もう19時をまわっています。お店はとっくに閉店の時間。
あー困ったなあ、まったくもう、どうすりゃいいんだ?


すると突然、蛇口から「しゃ…しゃ…しゃしゃ、しゃあーー」と空気を含んだ水が勢いよく出始めたのです。
やった!よくわかんないけど、直ったぞ!
わたしは「やーれやれ」とつぶやきながら早速キュウリを洗い、切ってお皿に並べました。
そうだよねー水が出なくなるなんてことはまあそうないよね、びっくりしたなあもう悪夢かと思ったよ、とすっかり明るい気分になってまな板を洗いはじめたら、30秒後にはもう、悪夢再開。

「しゅううぅ。」

またまた水が出なくなってしまったのです。
えー。まじでー。
悪夢なんかじゃないよ、これ現実だよ。
おいコラ蛇口、ちゃんと水を出せ!と毒づくも、空しいばかり。

それからは、5分に1回、そんなかんじで一瞬水が出るも、またすぐ出なくなるの繰り返し。
水が出るたびに「ひょっとしてこれで直ったか?」といちいち淡い期待を寄せては裏切られ、しかも行けないと思うと逆にすごくトイレに行きたくなったりしてきました。
と、そこへ夫から電話が。

「おーい、今買い物終わったよー。こっちはもうヘトヘトだよ、唐揚げ粉のおいてある場所がわからなくてなあ。このスーパーやたらと広いんだ」
夫の「ボクちんをいたわって」オーラが、電話口からぎんぎん伝わってきます。
スーパーの中を歩き回って生じたヘトヘトが、なんだというんだ?
こっちは被災者さながらの不自由さを味わっているんだぞ。
ひとりぼっちで途方にくれているんだぞ。
トイレにだって行けやしないんだぞ。
…まあ、だが、間もなくお前さんたちも、同じ目に遭うのさ。ヒヒヒ。
「早く帰って休みたいよ。ほんとうにヘトヘトだ。腹も減った」
「それが悪いんだけど、今料理どころじゃない状態なの。なんか水が出なくなっちゃったのよ」
「あらー、なんでだろ?水が出ないって、そりゃ困ったなあ」
ほれ、思い知ったか!こっちのほうがそっちよりぜんぜん大変な思いをしているのだ。
「でもなあとりあえず、ニイニがカレイをせっかく釣ったから、それだけでも食べてやらないとかわいそうだろ。水、出ないなら、ペットボトルを2本ぐらい買っていこうか?」

ペットボトルのお水?
を、2本ぽっち?

「あのねえ。料理に含まれている水だけあってもしょうがないでしょ。第一、食器も手も洗えないでしょ、トイレも流せないでしょ、あなたたちの魚臭い体もお風呂で洗えないんだよ」
ああ夫もわたしと同じくらいヘッポコ想像力しかないんだわ~とげんなりしながら噛んで含むように説明すると、
「そうか、やばいなそれは!」
と突然慌て出す始末。
「いいや。とりあえず帰ってきて。それから相談しよう」
わたしは、夫と事態の深刻さを共有できたことでちょびっと安心して、まあ古い家だしこういうことはよくあるよと自分に言い聞かたあと、ようやくソリューションへむけて始動しはじめました。

とりあえず「三芳水道企業団」というところをネットで調べて電話して症状を説明、誰でもいいから助けに来ていただきたいんですけど~と情けない声でお願いすると、「それは設備屋さんの仕事だなあ」と言われ、地元の設備屋さんを紹介してもらうことに。
こんな時間で出てくれるかしら、と不安になりながら電話すると、「今から行っても夜だし何にもできないねえ、明日は村をあげての草刈り日だから、行けるとしても夕方になっちゃいますねえ」とのこと。
あーあ…まるいちんち、水なしか?

ほどなく、ニイニと夫が、残念ながら今日使うことはないであろう食材をごっちゃり持って、帰ってきました。
自分の釣果を褒めてもらえる状態にない我が家を知ってか、ニイニは硬い表情で「カレイ釣れたよ」とひとこと。わたしは精一杯の笑顔で「おめでと!すごかったじゃない!」と肩をたたくも、祝福する余裕はそこまで。

かわいそうなニイニ…ひとりでクーラーボックスをあけて、ポチンを相手に自慢していました。
「ほら、カレイだよ。イワシもたくさん釣れたよ。今日は食べられないけど」
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いやあ、もちろんすぐに食べようと思ってたんだよ、ニイニ。
どうしてもと言うんなら塩振って焼いて食べてもいいけど、それじゃあなんだかもったいない。
どうせなら、明日ゆっくり、おいしく料理して食べようではないか。
(実は、この判断は意外なところで功を奏しました。これ、前回のコメント欄でご指摘下さったように、煮付けにするような魚じゃなかったんです。
「左ヒラメに右カレイ」…そのことに気付いたのは、結局翌日でした。そのことは、また。)

と、その時、「すみませーん」と見知らぬ男の人が二人、家にやってきました。
何とそれは、先ほど電話をした地元の設備屋さんの、旦那と若旦那。
とりあえず状況を見に来たんですよ、困ってるって聞いたから。と、村の寄り合いを抜けて駆けつけてくれたんです!!
う、うれしい…
藁をもすがりたい時だっただけに、すんごい嬉しい。

まずはわたしの疑っていたモーターをチェックしてもらいましたが、「どうも壊れてなさそうだな」とのこと。じゃあ漏水ですか?と聞くと、「それより、受水槽を見てみましょう」とのこと。
受水槽を見て、何か分かるのかしら?
早速、真っ暗な夜道を懐中電灯で照らしながら受水槽のあるところまで行き、草で覆われた蓋を何とか発見して、ごごごごごっと開けてみると。
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うわ~、受水槽の中ってこんなに広いんだあ。初めて中見ちゃった~。
4トンはたっぷり入るだろうなあ…

っていうかさあ、
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水、ほとんど入ってないじゃん!

「どうやら、ここが水漏れじゃないかな」
懐中電灯で受水槽の中をぐるぐる見まわしながら、設備屋さんの旦那が言いました。
え!?受水槽がダウトなわけ??
「もう古いでしょうコレ。コンクリにひびが入っているんじゃないかねえ」
それって、修理でどうにかなるわけ?
「いやあ難しいですね、補修は。この中に、コンクリの枠を作るわけにいかないからなあ」
じゃ、じゃあ、作り直すとしたら、いかほどに?
「最近は、埋め込み式の受水槽は認められていないんですよ。上下と周り、6面点検できるようなものしか使えないわけ。それをこの上に置くとするでしょう、でまあ、容量を半分にして2トンの受水槽を置くと考えると、込み込みで50万円は軽くかかるねえ」
ご、ご、ご、ごじゅうまん?
「いやあ、それじゃあ植物の水やりの分の水が足りない。水やりの時はたっぷり2時間出しっぱなしなんだから、それを賄うにはやっぱりこれと同じ容量の受水槽が必要だよ」
夫が暗い声で正します。

ってことは、おねだんも、倍?
つまり、にごじゅう?
100万円!?
ヒィ~、そりゃないよぉ~~~

「でも、こればっかりは、放置できないよね。水ないとこの家使えないもん」
「そりゃそうだけどさあ…いやしかし、まいったな」
動揺しまくっているわたしたちを気の毒そうに見ながら、設備屋さんの旦那はいいました。
「まあ、本体工事は1日もあればできるから、落ち着いたらまた、連絡くださいよ」
はい・・・そうします…
こんな夜更けに来てくださって、ありがとうございます…
またすぐ、ご連絡します…
帰っていく設備屋さんを見送ると、わたしたちは真っ暗な道をとぼとぼと歩いて、水の出ない我が家にもどりました。

「古い家を安く買ったはいいが、結局、いろいろ高くついているのかもしれないな」
「ちょっと前には給湯器が壊れたし。あれも散財だったね」
「そのうち、冷蔵庫も洗濯機も壊れるぞ。前の住人がいつから使ってるか分かんないんだもん」
「この家だって早晩壊れるんじゃないかね」
まったく、このやり場のない怒りをどこにぶつければいいのだろう?
「だいたい、景色がいいからって、上の方にある家にしたもんだから、こんなにいろいろ苦労がくっついてきちゃったのよね。誤算だった」
「水はポンプであげなきゃならないし、山だから斜面地の草刈は大変だし」
「普通の平坦地の家みたいに水道管直結だったら、こんなことにならなかったんだもんね」
「いまさらだけど、もっと低いもっと平らなもっと楽な土地を見つければよかったかなあ」
夫とわたしは、ぶちぶちぶちぶち文句を言いながら急遽東京に戻る支度をしはじめました。
「ともかく今日は、ここには泊まれないな。小便はいいけど、うんこできないし」
「いや、しようと思えばできるわよ。まさに肥えよ、肥え。でもそこだけますます雑草が育っちゃったりしてねハハハ」
くだらない会話で気を紛らわせながら荷物を車に詰め込み、21時にはとっととセカンドハウスを出発しました。
この時間だと、アクアラインの割引もきかないや。
ああもう、踏んだり蹴ったり!

問題が何も解決しないのに家を出てきてしまった帰り道のドライブ、気分が悪いったらありません。チャイルドシートに座ったこどもたち3人も、親のただならぬ不機嫌さを察してしーんとおとなしくしています。いつもはウルトラKYのニイニも、さすがにカレイのカの字も言いません。
ホントついてないよ、今年はそもそもいいことがない年だね、水は出なくなるし、植物はどんどんネズミに食われるし、身内に不幸が多いし、ろくでもないよ。
と、味噌も糞も一緒にして文句を言っていたその時、突然夫が車を停め、静かな声で言いました。
「あのさあ…でもなんか、オレいまいち納得がいかないんだ」
納得いかないって、受水槽が100万すること?
「いや、そもそも、本当に受水槽にひびが入っているのか?ってことだよ。さっきまで水が使えていて、それが突然出なくなって、しかも時々思い出したように水が出始めたりして、という状態と‘受水槽にひび’っていうのが、どうも結びつかないんじゃないかと思うんだ」
じゃあ一体、何が原因だと思うわけ?
「それはぜんぜん分からないけど…受水槽の水が一気になくなるような事態でしょ、ビニールハウスで使う水が漏れているのかなあ。いや、今日見たけど出てなかったな。あるいはまさかおまえ、草刈りの時とかにホース切っちゃってたりしないか?」

ビニルハウス内で使う水やり用の水は、家の付近にある蛇口にホースをつなぎ、100mほど引っ張ってきて使っているのです。でもそのホースは設営がめちゃめちゃ大変だったので、慎重に慎重を重ねて絶対に刈り払い機で切らないように注意しており、今までそんなそういう事故はおこったことがありません。
「わたしは切ってないよ!だいたい、今回はずっと上の畑んとこ刈ってたんだもん」
でも確かに、ホースを切れば、水はダダ漏れになる。
一定の時間を過ぎれば、受水槽が空っぽにだってなるだろうな。
「そうかあ、ホースじゃないか。じゃあ、どうしてだろう?」

いやー、待てよ。
よーく思い返すに…
そういえば…

今日の午後、ホースが這っているまさにそのあたりを、草刈りしてくれたヒトが…
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ありうる。
「ねえ!今から三芳に引き返そう!」 (つづく)
by babamiori | 2008-10-02 14:45 | 週末の出来事
<< おいしかったんだから、許せ。 そして、おいしくいただきました... >>



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

by babamiori
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