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おいしかったんだから、許せ。
また前回のつづきです。(なんか長くなっちゃったな。)

そうそう、三芳村のセカンドハウスから退散する道中、もうすぐ館山自動車道にのってしまうというところまできてしまっているにもかかわらず、突然水が出なくなった原因を突き止めるべく、わたしたち引き返したんですよ。
もやもやとした予感を、抱きながらね。

再びセカンドハウスに到着したのは、まもなく22時になろうという頃でした。
わたしたちは懐中電灯を手に、漆黒の闇に溶けこんでしまっている畑の中へ向かいました。
家の前の水道栓からビニルハウスまで地面を這うようにして引かれている「疑惑のホース」を手でたぐり、感触を確かめながら、そろりそろりと前進。

夜露でぬるっと濡れたホースというのは、なんとも不気味な感触で、イヤ~なかんじ。
だいたい、このあたりは夜、妙に怖いんです。獣が潜んでいるかもしれないという怖さと(実際うようよいますからね、イノシシ、ヘビ、それにタヌキ、アナグマ、ハクビシン、モグラ)、あとは「この土地って、以前‘墳墓’があったんだよな…」という怖さ。
景気づけに「ターリラーリラー」と大声で歌うしかありません。(実は、「面白お化け大会」ですら入れない臆病者。)

それでも果敢に、そろりそろりと下の畑に降りていきます。ホースの表面の具合を手で確かめながら。
すると、ビニルハウスまであと30mといったところでホースの一部に不自然なざらつきを感じたのです。懐中電灯で照らしてみると…

ザクッ!
という音が聞こえてくるかのように、大胆にホースが切られていました。
あーやっぱり。

「ねーあなたー。ホース切れてたー」
ビニルハウス近辺でうろうろ見回っていた夫は慌てて戻ってきて、裂け目を見て言いました。
「おー、切れてる切れてる。見事に切れてるなあ」
「この切り口の感じからすると、やっぱり間違いなく、刈り払い機だね」
「ここから、水がダーダーダーダー漏れていたんだな」
「Aさんがこのあたりを草刈してくれていたのが、15時半くらい。で、水が出なくなったのが18時半。3時間かけて受水槽が空っぽになったってわけだ。
うーん、納得」

…わたしは、こっちをちらちら見ながら猛然と草刈りをするAさんの姿を思い出しました。
きっとわたしにスピーディで美しい草刈りのお手本を見せようと思って、超張り切って刈ってたんだろうな。それで、ホースなんて目にも止まらなかったんだろうな。
せっかくご好意でやっていただいたのに、とんだ大騒ぎになっちゃったな。

っていうか、わたしがAさんに一声かければよかったってことか?
こんな写真を撮っている暇があるんだったら。(思いっきり証拠写真…)
b0128954_16474440.jpg

「そこ、ホースありまーす」って。

そうか、言ってみれば、わたしのせいか…

「まーよかった!受水槽にひびなんか入ってなかったのね!!何より、ホースかもしれないって気がついたあなたが、エライ!さすが、あなたって頭がいいわー」
わたしはすかさず明るい声をあげ、夫を激しく褒めたたえ、受水槽の無事を喜びました。
そうすることで「よーく考えれば、その場にいたお前の責任じゃないか?」と夫が思い至る隙を与えないという戦略。
「そうだな、Aさんも親切にやってくれたことだし、文句言う筋合いじゃないもんな。やっぱり引き返して確かめてよかったな。100万をドブに捨てるところだった」
夫はまんまとわたしの罠にハマって、単純にニコニコ笑って上機嫌。

そんなわけで、この件はハッピーエンドとあいなりました。
恐れていた巨額出費もなし!
いやー、よかったよかった。


で、すまされないのが、ニイニ。

せっかく大物を釣ったのにまったく注目されず、文句を言うこともできず、不満を飲み下したまま暗く押し黙って車に乗っていたらそのまま寝てしまい、東京の自宅に着いたあとも無言でベッドに潜り込み爆睡したニイニ。(あ、結局この日は東京に帰ったのです。受水槽に水がたまるのに半日ほどかかるので。)これはけっこう、かわいそうなかんじでした。

「明日こそ、ニイニの魚をおいしく食べてあげなくては」
帰宅後、荷物と子供を置くや否や、夫とわたしは泥のように疲れた体に鞭打って釣れた魚の内臓を処理することに。時間はすでに午前1時。「アー早くお風呂入りたいなあ。まだ磯臭いよオレ」とぼやく夫に「いいじゃない、100万じゃなかったんだから」と意味不明の言葉を返すと、「ま、そうだな」となぜか納得する夫。頭も相当お疲れのようで。

わたしがせっせとイワシの内臓をとっていると、まな板の上に置かれたカレイをまじまじと見つめ、夫がぼそりと言いました。
「これ、ヒラメだ…カレイじゃない、ヒラメだよ」
うそ!?
「まさか堤防釣りでヒラメが釣れるはずがないと思ってたからよく見なかったけど、こりゃ左に目がついてるから、間違いなくヒラメだ」
ほんとだあ…!

翌朝のニイニの喜びようったらありませんでした。
「ホント?ヒラメだったの?ヒラメ釣っちゃったの?カレイじゃなくて?ヒラメ?」
「そうよ、ヒラメ。ニイニも気付かなかったんだね。パパも、びっくりしてたよ」
「イェーーーーーーーーイ!ヒラメゲットーーーーーーー!」

それからというもの、大変です。
まずは、そのおヒラメ様の体長を測ります。
b0128954_164874.jpg

「ええと…27センチ」
「すごいじゃない!」
「いや、そうでもないよ。放流サイズの25センチよりちょっと大きいくらい。」
ニイニのバイブル「釣魚識別図鑑」によると、普通は50センチくらい、釣り人が自慢できるサイズは80センチ、目標にすべき大きさは120センチとあります。
「あー、そういうの釣りてえなー!」
すでに今回の喜びより次回への闘志が勝っているという釣りキチニイニ。
「これだからニイニは大変なんだよ。次はもう25センチのヒラメじゃ喜ばないぞ。ニイニ、言っとくけどな、どんどん大物が釣れるようになると思ったら大間違いで、次は坊主かもしれないんだからな」
夫はすでに牽制モード。ニイニの相手も大変だな。

次に、イワシの目刺しづくり。
これはとってもカンタン。昨晩、濃い目の塩水に漬けておいたイワシをハンガーにぶらさげて、温室の中に吊るしておくだけです。
b0128954_1649548.jpg

温室の中でつくる目刺しはほのかにサボテン風味がして、とってもおいしいんです。
ウソだと思うんなら、サボテンの温室をお持ちの方は、ぜひ試してみてくださいね!ウシシ。


そして、夕方。
イワシの目ん玉にハンガーを通す作業を朝見ていたポチンは、どうしてもこれをはずす作業を手伝いたくて、ニイニがぼやぼやしているうちに全部やってしまいました。
b0128954_12423074.jpg

b0128954_16494355.jpg

これならちゃんとおかずになる量あります。
大きいやつは、アジ。面倒だから一緒に干しちゃった。

一方、ヒラメはムニエルにすることにしました。皮をむいて下ごしらえ。1匹しかないので、他の人はスーパーで買った舌平目。
b0128954_16502838.jpg

なんか、ニイニの釣ったヒラメの方が、身がつやつやしていて厚くておいしそうでした。
(写真では逆に見えるのが残念。)

こういう日の夕食って、微妙にプレッシャーがかかるんですよね。
万が一、料理の段階で失敗したら、どんなに悲しまれてしまうだろう、って。
この日もそうでした。ムニエルは焦がしても生焼けでも許されない。目刺しもウッカリ取り出すのを忘れて黒焦げ死体になったらニイニ泣くだろうな。
(以前、「シロギスをお刺身にして」と言われたのですが、うまく捌けなくて身がボロボロになってしまい、まったくもって不味そうに仕上がったことがあります。天ぷらも、こういう日に限ってなぜかころもが分離しちゃって「素揚げのシロギスと、天カス」という料理になってしまったことがあります。普段ちゃっちゃと作っている時の方がうまくできるのは、なぜだろう?)

でも、まあなんとか、この日はまともにできましたよ。
何しろ、これ以上ないってほどシンプルな料理ですからね、どちらも。
釣ったヒラメで作ったムニエルは、もちろんニイニへ。
b0128954_16504893.jpg

ハッキリ言って、舌平目よりヒラメの方が、ウマい!
身の味が濃くてねっとりしていて、とてもとてもおいしかったです。
(いや、1センチ四方くらいのおすそわけがあったから言ってるんですがね。気のせいかな…)

目刺しはみんなでおいしくいただきました。塩加減も干し具合もちょうどよかったです。
b0128954_1653415.jpg

(アジだけは、ひらいていない「アジの干物」になっていました。)

それにしても、すごい組み合わせだな。
ムニエルと、目刺し。
ニイニはどちらも喜んで食べてたから、よしとしよう。
b0128954_1654616.jpg

これで、ニイニの思いもお魚も、やっと成仏いたしました~
やれやれ。
わたしにとって、週末は平日より疲れるよ。まったく。
by babamiori | 2008-10-06 17:04 | 週末の出来事
<< いろいろ手のかかる存在がいっぱ... ヒィ~~、100万もするんです... >>



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

by babamiori
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