2010年 09月 24日 ( 1 )
猛省:シカブタネズミの正体。
シカブタネズミと遭遇してから、2ヶ月近く経とうとしています。

はじめの2週間くらい、わたしたち家族はずーっと心のどこかに不安を感じ続けており、「ニイニ、ひょっとして?」「ち、ちがう!ママこそヤバいでしょ、ほらそことか」「これが?・・・そんなはずは、、」「オレはありえないからな」「わたしも!」「ポチンは充分ありえる。一緒にいたんだから」「うそぉ~~ヒぃ~(泣)」と不穏な雰囲気が漂うことがままありました。

1ヶ月ほど経過すると、やっと完全に不安から解き放たれ、「いや~大丈夫だったねっ」と笑顔で振り返ることができるように。
同行したニイニの友達のよっちゃんも大丈夫だった様子。
やれやれ!!


・・・話はあの日にさかのぼります。

ニイニとよっちゃんが用水路で見つけた謎のかわいい動物が、シカブタネズミ(仮称)。
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ぜんぜん逃げないでこっちをじーっと見ているので、たまらなくなって引き上げる。
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そして・・・タオルにくるんで抱き上げました。
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どうやらちょっと弱っているようで、小刻みにふるえながらじいっとしています。たまにヒトの顔を見上げてもぞもぞしますが、タオルにくるまれたままおとなしく抱かれているなんて野生動物とは思えない。愛しい気持ちがツンツンとこみ上げてきます。

「この子、なんなんだろう?」
「やっぱり飼われていた動物が逃げ出したんじゃないかなあ」
「めっちゃかわいい!人なつっこそうに見てるじゃん!」
「近くの動物病院に連れて行ってみる?」
「あるいは、保健所なら動物の種類が分かるかもよ」
「・・・っていいながら飼おうとしてるでしょママ」
「うーんそれはやっぱりちょっと難しいよねえ、ネコとキジがすでにいるし、うち」
「・・・っていいながら飼おうとしてるでしょママ」
「だからー、むずかしいってば。場合によっては考えるけど」
「ほらあ!!やっぱり飼いたいんだあ!!」

そんなことをがやがや言いながらビニールハウスにいる夫に見せに行きました。

「ねえ!!すんごいヤツ見つけちゃったよ!!」
「見たことないよパパだって絶対!」
「これ見てよ!かわいいでしょ?何だと思う??」

汗をぬぐいながらのっそりとビニールハウスから出てきた夫は「なにがあったの」と言いながらわたしの腕の中にいるシカブタネズミをじいっと見て、ぼそっとつぶやきました。

「やばいって。返したほうがいいよ。こどもたちは近づくんじゃない」

え??なぜ??
どうしたのそんなコワい顔して。
かわいいじゃんコレ。何が問題なの?

「だってさあ、捕まえられるってことは弱ってるんだよ。毛もほとんど生えてないし、なんかの病気にかかってるんだよ。見てごらん?皮膚だってヘンじゃないか。考えなしに連れてきたり触ったりしちゃダメだ。返してきなさい」

コワーい顔の夫に、わたし含めこどもたちもびっくりして、しーんと黙りこくりました。
怒んないでよぉ・・・

「ま、まあ、とにかく素手でさわらないこと。こどもたちは特にだぞ!あと、こいつが何なのか調べたかったら、一応写真撮っておけば同定できるんじゃない?」

というわけで、顔はこんなで、
b0128954_14283695.jpg

足はこんな形。
b0128954_14284466.jpg

うーん、ネコみたいだな。爪が伸びてる。

と、写真におさめ、しょぼしょぼともとの山に返しに行くことに。

触るなとか言われた後なのでこどもたちはかなーり恐れて後ろの方からびくびくついてきて、「病気なのかな」「人間にうつるのかな」「そんなことないよ」「もしうつるとしてもママだから」と、さっきのカワイイコールはどこへやら。

「ちゃんと生き延びるんだぞー」と声をかえ、山の緩斜面の途中に放すと、すったかすったかと上へのぼっていってしまいました。

うーん。
飼えるとは思ってなかったけど、なんか、残念。
だいたい今まで、これはと思うものはすべて飼ってきたからね。
ってやっぱり飼いたかったのかなわたし。



家に帰ってみんなでシャワーを浴びました。「触っちゃダメ」のことばに一番おののいていたよっちゃんは石けんでごしごし体を洗い「これでもう、こわくないぞ!」と明るい声を出していました。ごめんよっちゃん。

昼ご飯に戻ってきた夫は、すぐにこの動物の正体を割り出しにかかりました。
わたしが「さっき調べたら、ハクビシンでもないし、ネコでもない。でね、フクロネズミってのも考えられるかなーって。顔が似てなくもない。あるいはアナグマって線もある。だって最近増えてるらしいよ」などと見解を述べても無視。ニイニからは「ぜんぜん耳の形も顔もちがうじゃんママ」と横槍が入ります。

ふん!!そんならなんだっていうんだ!?とそっぽを向いていると、ほどなくして夫がくるりとこちらを向き、「・・・なあ、みおり。これだよ」と、手招き。

なに?
なになに?
わかったの?

「見てみ。」

検索画面をみると、そこには「タヌキ 脱毛」とかかれていました。

・・・なに?タヌキ??
あれが???

「そんな珍しい動物だと考えるんじゃなくて、この辺りによくいて、脱毛してたらどんな顔になるかって考えたらさあ。やっぱり、そうだったよ」
見れば、こりゃまちがいない

他のページ見ても、わたしたちが見つけたシカブタネズミと同じ様相。

「なんで脱毛するかってね、疥癬症にかかってるからだよ。ヒゼンダニっていう小さな小さなダニが、生き物の皮膚に飛び移ったらトンネルを掘って卵を産むらしい。人間にもうつらないとは言えないらしい。しかも皮膚接触で感染するらしいよ。強烈な痒みがあって、ダニの掘ったトンネルが皮膚から透けて見えるらしい」

「大丈夫!ぜんぜん痒くない!」と、ニイニ。

「いや、疥癬の潜伏期間は、2週間~1ヶ月、とある。すぐには症状は出ない」と、夫。


・・・なるとしたら、わたしだ。
こどもたちはタヌキにさわってない。わたしはタオルでくるっと巻いただけで、ずーっと抱っこしてた。延べにして20分以上。疥癬タヌキのページには「絶対に触れないでください」ってたくさん書いてある。なのにわたしってば。。まあでもたぶん、素手では触ってないと思うけど・・・でも・・・ひょっとしたら思いあまって「かわいいねえ」と頭をなでたかもしれない、か?

「ママ、なでてたよ」とニイニ。

・・・間違いない。
これでわたしの感染は確定だ。

「ま、今じゃいい薬があるから、なったら治療すれば治るさ」と夫。

・・・既成事実化してる。

2週間後に痒くなるまで、わたしはじーっとヒゼンダニが自分の体を掘り続けるのを待ってなきゃなんないんだろうか?

あああ、やだなあ!!

しかも、もし手が感染したとしたら、そもそもわたしは掌蹠膿疱症持ちだからたいてい痒みがあるし、疥癬にかかってるんだか持病だか区別つかないじゃないか?
知らないうちに感染してたら、治療が遅れるのか??

「ママが感染したら、いちばんはじめに、一緒に寝てるマメにうつるな」と、また夫。


さ・い・あ・く↓↓↓


確かに、あのシカブタネズミ、もとい、疥癬タヌキはかわいかった。
こどもたちと一緒に興奮して捕まえて、あわよくば飼いたいとまで思った。
あの疥癬タヌキにはなんの罪もない。
問題は、わたしにある。

なんでもかんでもかわいがろうとしたり、安易に近づいたり、やっぱり自然への対応が甘いのかもしれない。本当の意味で、自然を理解し、畏れを持っていないのかもしれない。自分の身を守る知識や警戒心を持たなければ、ちゃんとした田舎人とは言えない。
浅はかに何でもキャーキャー喜んでいるだけの、バカ丸出しの田舎素人だ。

ウルシの葉っぱをぱきっと取って「ウルシはかぶれるっていうけど本当かどうか実験」と自分の肌に汁をすりつけ、とんでもなくかぶれてしまったニイニを「なんておバカな!!」と怒ったけど、わたしだってたいしてレベルが変わらないってことだ。


あれからずっと、「もし疥癬にかかっても、自分への戒めとして甘んじて受け止めねば」と、神の声が聞こえるのを粛々と待っていましたが、幸い、ヒゼンダニはわたしに興味を示さなかったようです。無事に1ヶ月の壁を越えることができました。
虫さされの跡やちょっとした痒みにいちいち「疥癬かも。。」とおびえる日々は、一応終わりを告げました。

でももし、疥癬にかかっていたら。
このブログでのご報告は、ぐっと深刻なものになっていたでしょう。


みなさんも、カワイイ疥癬タヌキを見かけたら、抱っこしたりなでなでしたり、飼おうと思って持ち帰ったりせずに、そっとその場を離れましょう!
戒めの意味を込めて、日本獣医学会の「野生タヌキの疥癬症について」より抜粋を掲載しておきます。

「タヌキやキツネで発生している疥癬症がペット由来なのか、それとも元々自然界に分布していたのか、という議論があります。これまでに行われた研究結果からは、はっきりとした結論は出ていません。ただ言えることは、人間の自然破壊によってタヌキやキツネが生息場所を失った結果、生息密度が高まったり、ゴミや餌付けのために集合したりして接触機会が増して感染リスクが高まった状況があると考えられます。このことからも、私たち人間が関わって、野生動物に感染症の発生リスクを高めてしまうことは避けなければなりません。

私たちにできることとして、
1) 野生動物のおかれている現状について広く普及啓発し、正しく理解すること、
2) ペットを飼う飼い主のモラル向上(捨てない・逃がさない・放し飼いにしない)、
3) 人と野生動物の適正な関わり(餌やりをしない、ペットとは異なり自分で生きられる動物であることの理解)、
4) 身近な自然環境を保全する努力、
5) 調査研究に基づく環境モニタリング、などが重要と考えます。」



疥癬うつされる!しっしっ!なんて被害者ヅラする前に、タヌキも人間の被害者だと認識しておきたいと思う次第です。はい。
あの子、まだ生きているかな・・・
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by babamiori | 2010-09-24 14:40 | 生き物について



ひょんなことから、南房総に8700坪の土地を手に入れてしまいました。平日は都心で建築ライター・コーディネーターとして働き、週末は南房総で野良仕事。ちょっとムリして始めてみた二重生活ですが、気付けば主客転倒で、どっちがメインの住まいかわからなくなっています。田舎暮らしの衝撃と感動、苦悩と快感をそのまま綴ります。 ニイニ中3、ポチン5年、マメ1年。

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